定年後の居場所問題

定年後の居場所は退職前に準備する

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定年退職から4ヶ月経った今、退職後の居場所を確保しておいた事だけは正解だったと思える一つだ。
しかも退職前に準備したことも正解だったと言える。
居場所と言っても母屋の隣の納屋を改修して一日居ても飽きない部屋にしただけなのだが、改修費用もそこそこかかったのでこれを退職後にするとなると決断できなかっただろうと思う。

退職後は収入が途絶え、老後の生活資金不足不安が大きくなるので、退職後にまとまったお金を使うことに抵抗を感じるのだ。
退職前ならまだ収入が途絶えると言った現実感がないので、思い切った決断にも踏み切れる。

今だから退職後の居場所を作っておいたことに正解だったと言っているが、昨年の今頃はまさか夫婦そろって退職して二人とも家に居るようになるとは思ってもいなかった。
妻も会社勤めをしていたし、私より5歳も若いから後5年ぐらいは会社勤務をするものだろうと思っていたのだ。
ところが私の定年退職より早くケガが原因で退職することになってしまったのだ。

「定年退職した夫は粗材ゴミよりたちが悪い」
今の若い世代の夫婦は家事も協力していると聞くが、我々の世代は「男が台所に立つものではない」などと教えられて育ったので一切の火事は妻任せだ。
退職して時間があるとはいえ家事を手伝おうともしないのだ。

粗大ゴミはただ邪魔になるくらいだが、退職した夫は邪魔になるばかりか食べさせなければならないし、聞きたくないことも喋るから粗大ゴミよりたちが悪いと言われている。
「亭主元気で留守がいい」とはよく言ったもので、私の世代にこれほど的をついた言葉は無いと言ってもいい。
夫婦揃って一日中家にいてもプラスになる要素は何もない。
よほどお互いを気遣うくらいの考えでいないと些細なことから争うことにもなりかねない。
その些細なことが切っ掛けで熟年離婚になることがあってもまったく不思議ではないのだ。

私は今、朝食を済ますと隣に作った自分の居場所に出勤するかのように毎日移動している。
もちろんゴミ出しなどの簡単な家事は協力しなければならず、夫婦の緊張を穏やかにする努力は必要だ。
4ヶ月この居場所に通っていると、段々とそれが板に付き、不自然さが無くなってきたように思う。

ここでしていることはブログを書いたり、動画を作ったり、旅行のための調べ事など全く収入にはならない事ばかりだが、一日いても飽きることもなく時間をつぶそうと思えばいくらでもやることが出来てくるのだ。
この場所ではとにかく邪魔が入らないので落ち着いて物事に取り組むことができ、無駄に時間を過ごしたといった自責の念に駆られることはない。

もしこの場所が無かったとしたら落ち着かない日々を過ごし、夫婦喧嘩をすることも多くなり、悪い影響を多く受ければ病の引き金になっていたのではないかとまで思えてしまう。

このような退職後の居場所は人によって違ってくるだろう。
例えば定年退職後料理でも始めて見ようと思っている方なら、何も家から出なくても家庭菜園でハーブなども作りながら母屋のキッチンを居場所にしてしまえば、奥様にも喜んでもらえるかも知れない。

しかしそのような事でも退職前から準備をすることをお勧めしておきたいのだ。
キッチン機材が古ければ新しく買い替えたり、家庭菜園で必要な道具なども揃えておくだけで覚悟ができる。

定年退職後の居場所を準備することで、継続するためのモチベーションを維持することに繋がると思えるのだ。
定年後の居場所を準備するとは定年後の夢を準備することにもなるだろう。

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