60過ぎても探している旅の目的

探しているのは印象深い非日常

旅の形は人の数だけあっていいだろう。
旅先の宿で旨いものを食べ旨い酒を飲むのが好きな人もいれば、テントを背負ってアウトドアを楽しむ人もいる。
旅をする人は誰でもハッキリとした目的をもっているものだが、私の車中泊ひとり旅は正直まだ楽み方を模索中だ。

楽しい旅と感じる旅の基準

私の旅のキーワードは車中泊旅、ひとり旅、貧乏旅だ。
旅の目的を探ろうと昨年も色々と試してみた。
観光地を訪れるだけではなく、車内で料理をしたり早朝登山をしたりもした。
60年以上も生きて来たのに、こうやって色々試してみないと自分に合った旅の楽しみ方すら見つけられないのだ。

誰でもどんな旅が楽しいのかと考える基準は経験に基づくものなのだろう。
昔経験した旅は印象深いものほど楽しい旅として記憶に残っているが、それらがひとつの基準になっているのは間違いない。

サラリーマンで人生を送ったのだから何度となく旅行にも行っているが、会社絡みの旅行で印象深く心に残っているものはほとんどない。
もちろん若い頃友人と行った旅行は楽しかったに違いないが、それとて記憶が曖昧なのはおそらく印象的な旅ではなかったからだ。

今でも記憶に強く残っている旅は何も知らない17歳の時に初めて出かけたひとり旅や、30代後半から年に一二度行った海外旅行だ。

17歳のひとり旅は不安と人の優しさ、非日常感を体験した印象が未だに強く残っている。
海外旅行と言っても連れて行って頂いたお任せツアーではなく、自分で全てのチケットを手配した個人旅行ほどドキドキ感やウキウキ感の印象が強い。

つまりそのような印象に残る旅をこの歳になっても探しているのだ。

車中泊旅の印象度メリットとデメリット

車中泊で旅をする理由は貧乏旅をしたいからだが、車ゆえに旅の印象度を下げる原因にもなっている。
鉄道や路線バスを使った旅ならその不便さが旅の印象度を上げてくれるが、車旅は移動の便利さが旅のメリットになる代わりに印象に残る偶然を捨てているように思えてならないのだ。

その意味に於いては車の中で過ごす夜は不便で思い出深い経験になる。

キャンプと同じように非日常的不便さを楽しむことに繋がるので、料理などを車内で楽しむのも旅の醍醐味のひとつだなのだが私には向いていないようだ。

実際に経験して分かったことは私のようにインドア派の横着者に車内料理を楽しむまでの余裕はないということだ。
それに天井の高い車なら料理をするのも悪くないが、コンパクトカーでは危険度も高い。
どうもひとりキャンプを楽しめる性分でもないようだ。
ひとりキャンプを楽しめないとは言ったが、ひとりでいることが嫌いな訳ではない。
私の歳では珍しいひとりっこなので、子どもの頃からひとりで空想の世界に入ることが特技になっているほどだからだ。

どうしたら私の基準を満たした旅ができるのか考えてみたが、そう簡単には答えが見つかりそうにもなさそうだ。

目的はグルメや癒しではない

本来旅行の目的は観光やグルメ、癒しなのだろうが、私が求めている目的は印象深い非日常感だ。
まだ行っていない名所や旨い食べ物を求めている訳ではないし、それが超一流のおもてなしでもないというのが本音なのだ。

そうは言っても何の計画もなしに闇雲には出かけられないので、目的地や経路などの計画は入念に立てるようにしている。

その経路を追いながら印象深い偶然に遭遇することを望むしかないのだ。
美しい夕焼けや朝焼けもその場所にその時間に居合わせた偶然なのだ。

何十年経っても忘れられないような印象深い非日常はそう簡単に出合えるものではないが、一般的な旅行よりも貧乏ひとり旅の方が偶然の確立が高いだろうと思っているだけなのだ。

もちろん金銭的に裕福な訳ではないので、高級なホテルに泊まって癒しを求めることも高級な料理を味わうことも出来る身分にないことは明らかだ。
しかしこの歳になればお金に頼るだけが幸せの道ではないことくらい分かっているから僻みだと言われようが考えを曲げる気は更々ない。

非日常を探す旅

例えば一時間半も飛行機に乗れば行ける韓国ですら、そこにいるだけで非日常を味わえる。
どこにでもあるような屋台のパイプ椅子に座ってサンナクチをあてに焼酎を飲んでいるだけで非日常感を肌で感じるのは、聞こえてくる言葉やテントの隙間から見えるネオンの文字が日本語ではないからだ。
海外を旅する人はおそらくそんな非日常を求めてのことだろうが、日本でそのような非日常感はどこへ行ったとしても望めない。

昨年の車中泊旅で印象的に心に残っているのは山の中で車中泊した時に見た夕焼けや朝焼け、観光船に乗ってカモメに餌やりをした初めての体験などだ。
それらはどれも期待していた訳ではなく偶然の遭遇と言えるものだ。

夕焼けや朝焼けのような景色も期待した時には裏切られるが、期待しない時に限って美しく見えるようだ。
その場所だから遭遇できたりその時間だから見えた景色だ。
夕焼けや朝焼けに非日常を感じるのは私が山間部に住んでいるからで、毎日見ている人にとって非日常感はないだろう。

日本でそのような非日常と出合う偶然の切っ掛けがひとり旅であり貧乏旅にあると信じたい。

今はそんな偶然を探すのが目的で旅をしていると言いたいが、一生忘れることはないだろうと思えるほど心に残った旅はまだ見つかってはいない。

コメント

  1. koba より:

    saigaさん お久しぶりです。腰痛の具合はよくなってきましたか?
    私は少し後輩になりますが、子供の頃に親に連れて行ってもらった旅行や
    学生時代の親しい友人との旅行など、楽しかった思い出はあるものの、
    深く非日常感を味わったような記憶としては、すぐに思い浮かべることができません。
    今年還暦を迎え、これからは今までより自由な時間が増えると思いますので
    (自由になるお金は減りますが・・(笑))、これからの旅のことも少し考えてみたいと
    思います。