フェードアウト型人生を選びたくない人は50代から準備する

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定年退職後の準備をする人など聞いたことがない

定年退職してから一番後悔することは退職後の準備ができていなかったことだ。
そうは言うものの何をどう準備していいかさえ分かっていなかったのが実情だ。

ほとんどのサラリーマンが定年後の準備をしない

サラリーマンをしていると、いつか定年退職の日が来ることに現実味を感じない。
特に50代は忙しくて考える暇もないのが実情だが、働かなくなること自体想像することができない。

私が定年退職を意識するようになったのも60歳の定年を迎えた頃だった。
1年などあっという間に過ぎて行くのに、継続雇用で働く5年などそんなに長い時間でもないだろうと考えるようになった。
そして65歳になった時、退職して何をしながら過ごしたらいいのだろうと思うとそっちの方が不安に感じたのだ。

もともと田舎なので田畑はあるものの農業をしようにも農業機械が何一つない。
しかも好きでもない農業を農業機械を買ってまでしようとは全く思わなかったのだ。
かと言って悠悠自適に遊んで暮らそうと考えた訳でもない。
退職した61歳から65歳までの4年間でその後の準備をしようとしたのだ。

同世代の人と話しをしても、新しい人生の準備をしようとする人などまるでいない。
だがそれが一般的で私のような考え方をする方が変わり者なのだろう。

私の性分もどちらかと言えば一般的な安定した人生に向いていると自覚しているが、敢えてそうしなかったのは一度の人生の最後のチャンスかも知れないと感じたからだ。
良くも悪くも後悔しないためにだ。
しかしその決断が遅かったせいで準備ができたのは「居場所」だけだった。
「やりたいこと」と「生活基盤」を準備できなかったせいで今のところ余裕はない。

定年退職後の人生には二つのタイプがある

・フェードアウト型人生
前にも書いているが、サラリーマンで生きてきた人が一般的な人生を送ろうとするのがこのタイプだ。
60歳で定年を迎え、継続雇用制度を利用して65歳までサラリーマンを続け、その後は年金を受給しながらアルバイト程度の仕事を探して体の状態を見ながら人生を全うするタイプだ。

なぜフェードアウト型人生かと言うと収入や体力気力が年齢と共に人生をフェードアウトさせていくからだ。
最も一般的な考えで安定していて不安も少なく自然な人生とも言える。
決して悪い人生ではなく、年齢に合わせた人生なので無理をすることもなく、敢えて徐々にフェードアウトさせていくという考え方だ。

・メリーバッドエンド型人生
このタイプも私が勝手に提唱しているだけだが、サラリーマンが60歳を分岐点に今までとは全く違う新しい人生を作り上げて行こうとする人生だ。
メリーバッドエンドとはインターネット上で生まれた言葉で、読者や登場人物側に立つ解釈によってハッピーエンドかバッドエンドか分かれる物語のエンディング形式のことだ。

要は人からみれば幸せそうに見えないが自分が幸せだと感じればそれでいいとか、一般的で経済的な不安もなく「誰でも同じ」という安心感を捨てて、一から人生をやり直すことに幸せを求める人生のことだ。