定年退職の違和感

定年退職に向けて違和感克服(シニアブログ)

形のないものに輪郭をつけて鮮明なものにするのは簡単ではない。
そこに少しでも違和感があればそれはどこかが間違っている証しだ。
この考え方は今までの生きてきた中での趣味や仕事で得た自分なりの教訓であり持論だ。

昔、趣味で耳コピをしていたことがある。
耳コピとは音楽を聴いてその音を拾い楽譜にすることなのだが、当時カセットテープレコーダーで同じフレーズを何度も聴いて、声に出しキーボードなどで確認していく地道な作業だ。
しかも自分の知識や才能もわきまえず、例えば渡辺香津美さんと言えばギター速弾きの先駆者だが、その渡辺さんがアドリブで速弾きした音を耳コピしていた時、何度コピーしても違和感を感じる同じフレーズがあった。
あるときその中の一つの16部音符が半音だけ違っていたことに気付いたとき、今までどんより曇っていた空が急に晴れ渡ったように感じた。

また、仕事でお世話になっている会社の社長と、偶然お出会いして話したことがある。
その社長の会社は工場で部品製造をされているのだが、年間の不良品が数億円にも上るとのことだ。
原因は機械の音や動きなど通常ではないと五感に感じている社員がいても、機械を止めると製造工程を止めることになるので、勇気をもって進言することができないらしい。
早く機械を止めないので、その日は一日中不良品を作り続けることになると、改善を模索しているとのことだった。

違和感とはそういうものなので、確信や根拠もなく鮮明でもない。
しかし人間の感覚は知識や経験から磨かれるものだろうし、違和感=間違いと日頃から意識しているだけで、少しでも早く正しい結果にたどり着くと考えている。
もっと言えばテレビのニュースを賑わす大きな事故などにも、必ず原因がありそこにも間違いなく違和感が存在したはずだ。
いち早く気付き間違いだと認識していれば防げた事故も多いはずだ。

話が大きくそれていったが、退職に向けての違和感をあえて感じ、取り除かなければならないのである。
違和感を感じる原因を探れば、一つは自己管理でもう一つは収入減と言ったところだろうか。
会社という組織に管理されている時間がなくなるという意味では、その自由がほしくて退職する反面ダラダラと一日を過ごしてしまう恐れがある。
自分の行動力や継続力は平均以下と自覚しているからだ。

三つ子の魂百までとはよく言ったもので、そうそう改善されるものではない。
今までも、どんな目標をたてて行動しても大概は三日坊主だった。
もし決断力や継続力が人波外れて優れていれば今頃は由も悪しきも違った人生になっていただろうことは今更感いっぱいだ。
よって人様以上に意識しながら時間管理をしないと、退職という選択が間違ったものになってしまう。

最悪につまずいた人生を送ってきて、ある時から人間らしさを取り戻した方が「人はいつからでも変わることができる」と言われていたが、そんな極端ではなくても正にそうありたい。