60歳から始めるピアノ

Norbert WaldhausenによるPixabayからの画像

シニアで楽器を始めるなら男性にはピアノがお勧め

シニアの習い事でもピアノの人気は女性を中心に上がってきているが、そもそもピアノは男性向きだ。
そこでピアノに興味がある人のために最初の入口としてお勧めできる始め方などを詳しく解説する。

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ピアノを始めるのに楽器は必要?

ピアノを始めるためにはピアノは必要だ。
今の60歳以上の人が既にピアノを持っている確率は非常に高い。
それは当時(40~50年前)子どもの習い事としてピアノの人気が非常に高く、一種のステータスのように多くの夫婦が子どもにピアノを与えていたからだ。
その当時のピアノがまだ多くの家に眠っている。

手入れをしていなくても家電ではないピアノはまだまだ使える物が多く残っているので、一度楽器店に調律を依頼するなどして点検してもらうのがお勧めだ。

もし家にピアノがない場合は購入することになるが、いきなり60万円以上もするような本物のアップライトピアノを買うのはお勧めできない。

そこでお薦めなのが電子ピアノだ。
新品でも数万円で購入できるが、もっと安価な中古品でも問題はない。
因みに私が持っている電子ピアノ(ヤマハクラビノーバ)は息子のために30年前に購入したものだが今でも問題なく使えている。

電子ピアノのいいところは音量を小さくできたり、ヘッドホンを使って周りには迷惑を掛けずに練習できるところだ。
聞こえるのは鍵盤が動く音だけだ。

電子ピアノを購入する時の注意点が一つある。
それは電子ピアノを弾いた時に重く感じる鍵盤(ピアノタッチ)になっていることだ。
電子ピアノと言うだけでは、ピアノの音がするキーボードもその枠組みに入っているからだ。

あくまで「ピアノが弾きたい」と思うならピアノタッチの商品を買うことだ。
オルガンやキーボードとピアノは鍵盤楽器という枠組みで共通はしているが、アクションという構造が生むタッチはピアノだけのものだからだ。

ピアノはシニアの男性にお勧め

勿論女性がシニアから始めても何の問題もないピアノだが、シニアの男性にこそピアノは適していると感じることは多くある。

その理由の一つが音楽に対する憧れが強いことだ。
今の60歳以上の人が子どもの頃、特に田舎では「音楽は女がするもの」のような偏見が存在した。
「ピアノがしたい」と男の子が言いでもしたら、いじめの対象になったり親からは「男の子がする事ではない」と言って反対されることも珍しくはない時代だったのだ。

そのせいもあり当時の小学生の男子には逆に強い憧れとして心から離れない思いが残っていると言える。

もう一つの理由がピアノは体力や筋力が必要だということだ。
ゴルフと同じで若い人には何でもないと感じる筋力であっても、60歳以上の人には想像以上の筋力が必要と感じる。
ピアノは重い鍵盤を指で叩くといった筋力が必要で、それは指だけに掛かる負担ではなく腕から背筋や腹筋まで必要とすることだ。
このことからピアノが女性より男性向きの楽器であると言えるだろう。

特にシニア世代からピアノを始めると脳環境に与える刺激も効果的で、認知症予防は基より運動機能維持や情緒安定効果など想像以上の付加価値を生むことは実証されている。

日本には普通のおじさんがショパンのノクターンを呆気なく弾きこなしたり、ピアノでは難曲とされているパガニーニのラ・カンパネラを完璧に弾きこなす漁師さんなどがいらっしゃるから勇気づけられる。

ピアノを始めるには

ピアノが用意できたら先ず何をするのがいいのか考えて見よう。
できることならピアノ教室へ申し込みに行く事が絶対条件のように思えるが、決してそれだけがピアノを始めるための正論ではない。

ピアノ教室へ月謝を払って習いに行くリスクが結構大きいのは、これまでに多くの人が途中で挫折して止めていることから証明されている。

「思いと違った」という理由で止めている人が最も多いのは、レッスンが期待していたことと大きく異なっていることが多いからだ。

ピアノの指導者が自分が昔に習った方法と全く同じ方法でシニアにも教えていることは稀ではない。
例えばバイエルから始めるような指導方法だ。
いくらバイエルに意味があろうと習いに行くシニア(特に男性)が違和感を感じるのは最もだ。

もしピアノ教室へ申し込むなら指導内容やレッスンシステム(個人やグループ)などを確認し、自分の目標も詳しく伝えることが肝心だ。
例えば「ラ・カンパネラ」が弾きたいといった具体的目標だ。

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