歌がうまくなる早道(耳コピ編)

タブレットのキーボードアプリ

歌うま練習法(耳コピ編)

定年後の趣味の一つに歌うことをお勧めしたい。
歌を趣味にするメリットはお金が掛からないのと、健康に貢献してくれることだ。
カラオケ教室に行くのもいいが、独学でも上手くなる方法はあるので実践してほしい。

カラオケ教室などに習いに行けば最初から、「腹式呼吸」だの「感情をこめて」などと教えられる場合もあるが、歌も音楽という芸術である以上、基礎から学ぶのが一番の早道だ。
基礎とは音楽の三つの要素と言われるリズム、ハーモニー、メロディーなのだが、その習得には先ず正確な音程感とリズム感を訓練によって養うことが必要となる。
当たり前だが、この音程感が悪いのに、いくら感情をこめて歌っても上手くは聴こえない。


音程感を訓練によって鍛えると言っても絶対音感を身に着ける訳ではない。
身に着けてほしいのは相対音感と言われる感覚なのだ。
絶対音感とは例えばクラクションの音を聴いて、その音がドなのかレなのか聞き分けられる感覚で、相対音感とは例えばその音がドであった場合、そのドを基準にしてレやファなどの音程差の間隔を正確に音に出せる感覚のことだ。

相対音感を訓練する方法

本格的に訓練する場合はソルフェージュなどの教材を使ってピアノ伴奏に合わせて訓練するが、あくまで趣味の歌なので楽しくないと続かない。
教材に使うのは一番好きな歌が適している。
それがポピュラーであろうが演歌であろうが問題ない。

用意してほしいものは、キーボード(ピアノなどの鍵盤楽器)、チューナー(音程を検知する機械)だが、どちらもスマートホンやタブレットで無料アプリをインストールできる。
ついでにメトロノームやボイスレコーダー(どちらも無料アプリ)も入れておくと後で役に立つ。

チューナーとレコダーを兼ねたアプリとメトロノームアプリ
    

先ずは好きな歌のメロディーを2小節くらい耳コピする。
耳コピとは歌を聴いてその音が何の音(ドなのかファなのか)か聴き取りをすることだ。
一度には無理なので、最初の音から一つずつ取っていく。
歌う時のように最初の音を声に出して伸ばす(ロングトーンと言う)のだが、その音がドなのかあるいはラの♭なのかを先ほどのキーボードで確認する作業をする。
この耳コピと言う作業は慣れない内は非常に手間が掛かり挫けそうになるが、何度か繰り返す内にすぐに慣れてくるから案じたものではない。
そしてこの耳コピという作業こそが、正確な音程で声を出すことを繰り返すことによって音程感を身に着けるのに効果が期待できる。

注意することは、聴いた音(好きな曲のメロディーの最初の一音)と同じ音程を維持してロングトーンする事と、その音をキーボードで確認するとき、少しでも違和感を感じれば間違っていると言うことだ。
自分が出している音とキーボードの音が同じ場合は何の違和感も感じないものだ。
ド、ド♯、レ、レ♯、ミ、ファ、ファ♯、ソ、ソ♯、ラ、ラ♯、シ、この12個ある音階のどれかにヒットするはずだ。
難しい場合はスマホのチューナーを使えば簡単に分かってしまうが、出来る限り自分の声と耳で確認することが訓練になるので、チューナーは間違っていないかの確認用で使用するだけが好ましい。
ヒットすればそれを記録する。
出来れば五線紙の上に記録するのが最適だが、慣れない内は自分が分かるような記録方法(ドとかソ♯のように)で構わないだろう。
音符が理解できるように書いている「音楽の基礎」ページを参照して頂ければ幸いだ。

因みに耳コピとは耳でコピーするという意味合いで、主にジャズやロック系の楽器を学ぶ人は必ず通る道と言っても過言ではないほどの行為なのだが、本格的なソルフェージュ過程の代替え訓練として意識しながらすると、ロングトーンの意義も深くなる。

最初の2小節を完全コピーできれば次に進むくらいでいいのだが、その2小節に出てくる音程の高低差を身体で感じ取ることが重要だ。
例えば「ドレミラ~」のようなフレーズだとしたら、単純なように思えるドレミも「ドとレ」「レとミ」の音程感覚をしっかり意識しながら歌うように注意しなければ訓練にはならない。
今まで訓練をしたことがない人はその微妙な音程のズレを適当に感じているはずなのだ。
そこで時にはチューナーで正確な音程で声を出しているか確認することもしなければ、間違いには気付きにくいものだ。
「ミとラ」は音の跳躍と呼び、ミからラに正確な音程で向かう感覚は高度なものになるから、特に多くの訓練を必要とする。

一通り2小節程度のフレーズが歌えるようになると、一度スマホやタブレットのボイスレコーダーアプリなどを利用して録音し、客観的に聴いてみる。
違和感を感じるところはこの際徹底的に訓練して、客観的に聴いても上手くなったと思えるほどまでにすれば後はそれらの行為を繰り返すだけになる。

ここでは訓練と呼んでいるが「意識しながら反復する行為」なので先ずはこの好きな曲の2小節で試してほしい。
この2小節の耳コピがあなたの歌を上手くする最も手っ取り早い練習になるだろう。

第一興商が運用しているDAMの機械が置いてある店で歌うと、多くの場合は実力より数倍上手く聴こえる。
それは気持ちよく歌えるためのエコーと言うエフェクターやスピーカーの音量などに誤魔化された錯覚と言っていい。
スマホのボイスレコーダーで客観的に聴くのが実力の歌唱力なのだ。

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