歌がうまくなる早道(苦手克服編)

歌うまで高い声が出るようになる!

定年後に楽器を始めるのもいいが歌を趣味にすることもお勧めだ。
歌のメリットは独学ならお金が掛からないことや、声を出すことでストレス軽減、腹筋を使えばダイエット効果や最近では認知症のための脳トレ効果も高いと言われるようになってきた。
しかし60歳過ぎてからだと習いに行ってもうまくならないと言われる人や、実際「高い声が出ないから歌える歌がない」といった理由で諦めている人が多いのも事実だ。

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そこでなぜ高い声が出ないのか、どうすればどんな曲でも歌えるようになるのかを考えてみた。

目次
1. 高い声が出ない理由その1
2. 高い声が出ない理由その2
3. 自分の音域を知る
4. 音域を広げる練習
5. 練習の注意点
6. 余談
7. 参考

1. 高い声が出ない理由その1

通常日本のポップスや歌謡曲、演歌などの音域は多くて1オクターブと半分ほどで1オクターブと少しの音域の歌も多くある。
男性も女性も通常は1オクターブと半分くらい出せる人が多い。
にもかかわらず歌えないのは、自分の音域に合わせて歌っていないことが最大の原因になっている。

カラオケなどで高い声が出せないのは、カラオケを自分の音域に合わせていないのが原因だ。
人によって出せる音域は違うのが普通だが、プロの歌手は訓練をして出せる音域も広く、その音域の中の一番得意な音域で歌っているのだ。
それらの理由からカラオケはキーを変更できるようになっているが、キーを変更するのをためらったり、そもそもどれだけ変更したらいいのか分からない人の方が多い。
この変更度合いは個人差も大きいが、一般的には男性に比べ女性のほうが3度から5度程度音域が高い。
カラオケのキー調整は半音単位なので、女性の歌を男性が唄う場合♭の方に-3から-7程度下げなければ歌えないのが普通だ。
逆にキーをプラスして上げている人は、自分の声を1オクターブ下げた状態から上げていることになる。
どのメーカーのカラオケのマイナスもプラスも7までになっているため、8から11までのキー変更はできないので、オクターブ下げた状態からカラオケをプラスに調整することになる。

2. 高い声が出ない理由その2

高い声が出ないと言われるほぼ全ての人は表の声だけ使って裏声を使っていない
男性女性に限らず通常誰でも裏声を持っているのに、裏声を使って歌っている人は歌手か器用な人ということになっている。
それはなぜかというと、表の声に比べて裏声の音程をコントロールすることがかなり難しいからだ。
しかし60歳からでも訓練をすれば、裏声の音程をコントロールできるようにすることは可能だ。
「私、高い声が出ないから」と謙遜する女性もビックリして思わず出す「キャー!」と言う悲鳴はかなり高音で、地声と合わせてその音域までコントロールできるようになれば歌えない曲はないと言える。

訓練していない人の表の声と裏声には、一般的に少しだけ隙間(出せない音程)が存在するので、表の声(地声)の音域と裏声の音域が繋がっていない。
例えば上の「男性音域例」で見るとレ#とミの声が練習をしないと出ない隙間音ということになる。
そのため思い切って裏声に飛ぶことができないのだが、訓練によって繋がるようにするのはそんなに難しいことではない。
表の声(地声)の低音を訓練によって広げるのは至難の業だが、裏声を低い方に音域を広げることは地声の低音域に比べ遥かに簡単だと感じる。
目標は表の音域の高い方と裏声の低い音域を重複させ、スムーズに表と裏の声を行き来できるようにすることだ。

これらの訓練をすれば素人でも2オクターブに限りなく近い音域を出せるようになるだろう。
因みにマライア・キャリーのようなホイッスルボイスと言われる超ハイトーンを出す歌手は5オクターブ以上の音域を持っていると言われているが、それらは楽器的な音で使われているので言葉(歌詞)を持ったものではない。

3. 自分の音域を知る

先ずは自分の音域がどれだけあるのか知ることから始めてみる。
「歌がうまくなる早道(耳コピ編)」で紹介しているスマホアプリのチューナーやキーボードというアプリを使えば確認することができる。

先ずはキーボードで基準になる音(例えば上の図のようにラ)を出し、その音を基準に高い方へ声と共にキーボードの音も移動していく。
逆に自分が一番出しやすい音をロングトーンし、チューナーで何の音か確認して基準音とすることもできる。
次に基準音から下の音域へも移動してどこまで声が出るか出して見る。
基準音から上下に声を出す場合は、音程に意識を集中しながら半音ずつ移動するのがいいだろう。

次は同じ方法で裏声も確認し、表(地声)の音域と裏声の音域を記録しておく。

4. 音域を広げる練習

裏声をファルセットと言い、表の声と裏声の音域を違和感なく一つの音色で繋げるテクニックをミックスボイスと言うのでユーチューブ動画などで確認するとよく分かる。
ミックスボイスを習得すると、高音域も表の声と同じように強い音が出せるばかりか喉への負担も少ないのがメリットだが、先ずは裏声で音程をコントロールできるようになるのが先決だ。

最初はとにかく裏声を出す練習をするが、最初から大きな声を出すと声帯を傷めるので小さい声で練習するのがコツになる。
ファルセットの一番出しやすい音程が分かってくると、次はその音を基準に半音ずつ下げていく。
その場合は小さな声でいいが音程を意識してロングトーン(長い音)で徐々に下げるようにする。
一番出しやすいファルセットの基準音から上にもロングトーンでゆっくり音(声)を出してみる。
何回も言うが最初は小さな声で練習する。
何度も何度も練習しているうちにファルセット(裏声)で音階が歌えるようになるので、そうなれば今まで使えてなかった裏声をコントロールして歌の中で使えるということになる。
表の高音域と練習で習得したファルセットの低音域が重なって自由に行き来できるようになると、もう怖いものなしで難しい坂本冬美や石川さゆり、香西かおりやJポップのスピッツ、中孝介、福永浩平などを歌うことも夢ではなくなる。

5. 練習の注意点

・最初から大きな声で裏声を出そうとしないこと。
・無理をして限界より高い声を出そうとしないこと。
・最初は小さい声で練習し、高い音(声)は少し息を出すスピードを速くする。
・音程を最大限意識する。
・腹式呼吸は意識しない。
・姿勢を正し、リラックスした体勢で歌う。
・ゆっくりロングトーン(長い音)で練習する。
・ビブラートは掛けずにストレートな音を出す。
・感情はいらない。
・あくまで音域を広げる訓練に徹する。
・毎日練習する
・1時間以上はしない。
・発音しやすい母音を使う(い母音が口を横に開くので高い音に向いている)

6. 余談

歌謡教室やカラオケ教室などで歌が上手になった実感がしないのは、基礎ができていなかったり音程もしっかりしていないのに、感情や腹式呼吸ばかりに意識を向けすぎることが原因だ。
音程感が悪いのに感情もへったくれもないだろうし、ロングトーン(長い音)を出そうとするなら自然に腹式呼吸になっておかしくない。
また日本人の先生と言われる人の多くは生徒に対し、抽象的な表現で指導することが多すぎるのも一因だと思える節がある。
昔よく聞いた最も抽象的な例が、クラシック音楽を教えている先生が生徒に対して「君はもっと恋をしなさい」などだ。
言いたいことは分からなくもないが抽象的すぎやしないか。
特にそう感じたのは20年以上前からドラムの教則ビデオを参考に練習していた頃、海外の一流と言われるほとんどのプレーヤーの指導が超具体的で分かりやすかったからだ。

と言っても私がうまく指導できると言っている訳ではないが、歌なら特に抽象的ではなく具体的に指導する方法がほしいところだ。

7. 参考

楽譜や音符の読み方についてはこのサイトの「音楽の基礎」のページを参考にしてほしい。

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音程を知る方法については「歌がうまくなる早道(耳コピ編)」が参考になる。

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