定年退職前から覚悟しなければならないのに誰も教えてくれないこと

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定年退職は人生最大の分岐点であり人生最大の苦難

定年退職と聞いて現職の人が想像することとはなんだろう。
定年退職したら「仕事をしなくてもいい」「会社に縛られなくてすむ」「趣味を満喫できる」「長期旅行できる」「第二の人生が始まる」「人生の黄金時代に突入だ」「責任がなくなる」など、これらはポジティブに想像することだ。
「収入がなくなる」「老後資金が不安」「社会から遠ざかる」「お金を借りられなくなる」「やることがなくなる」「行くところもなくなる」などはネガティブな想像だ。

最も恐れなくてはならないことを想像することができない

楽観的な性格の人と悲観的な性格の人によって退職後の想像は多少の偏りがあるだろうが、ほとんどの人が忘れがちな想像がもうひとつあることを知っておかなければならない。
それは死へ直結する病へ急接近することだ。

なぜそんなことを想像しておく必要があるのか考えて見てほしい。
「病は気から」という言葉は誰もが知っているが、定年退職すると言うことは病を自ら呼び寄せるほど気持ちにダメージをもたらすことになるからだ。
「そのくらい自分の周りの環境が変化する」と言ってもいい。

しかしそのことを実感するのは実際は定年退職してからのことだ。
定年退職前に想像できる人はほとんどいないだろう。

そのため定年退職前に想像していた以上の環境変化に心がついていけないのだ。
その結果、気も付かないまま自分の弱いところをジワジワと病魔が蝕んでいくことになる。

定年退職前から覚悟をすることが大切

そんな病魔を寄せ付けないために定年退職前から覚悟を決め、勇気を持って環境変化を受け入れることが重要なのだ。
定年退職前から予測をして覚悟する環境変化とは、社会との繋がりがなくなりひとりになることが最も大きい。

誰とも話さない日が何日も続くことになるかも知れないのだ。
正に無人島に取り残された漂流者のようにだ。

そんな無人島生活もひとりで楽しんでやるという覚悟と勇気がその前から必要なのだ。
漂流する前から覚悟しておくのと無人島に辿り着いてからでは生存率に大きな差が出ると言いたいのだ。

勿論収入もないのだから贅沢したり仲間と飲みに行くこともなくなると覚悟しておいた方がいいだろう。

定年退職前から注意深く観察しておくこと

自分より先に定年退職した人たちの情報に注意深く耳を傾けてほしい。
「定年退職してそんなに経ってないのに癌の手術をされたそうだ」「もう少しで年金が貰えるのに亡くなられたようだ」と言った話しは決して少なくはない。

その人たちすべての病の原因が環境変化に順応できなかったと言っているのではないが、この人たちも定年退職までは元気で働いておられたのは間違いないところだ。

60歳過ぎるとそういったことも往々にしてあると覚悟をし、注意しなければならないという忠告でもある。
他人事ではないと言うことだ。

そのためにできる事前準備は定年退職前にしておくのに越したことはない。
生活習慣も定年退職後ではなく定年退職前から正しておく方が身のためだ。

事前覚悟と勇気が定年退職後の心に余裕を作る

「定年退職したら無人島でひとり自活する」くらいの覚悟と勇気を持っていたら怖いものなど何もない。
「そうなったら何をして楽しんでやろう」「先ずは何から始めるべきだろう」「自給自足生活も楽しめそうだ」「定年退職後のライフスタイルを今から考えておこう」などとポジティブに想像できるからだ。

このような想像が気力を高め疫病神を遠ざける武器にもなる。
予め覚悟をしておけば「こんなはずではないと思っていた」などと気落ちすることもない。
有り余った時間を持て余すことも予測していたなら真剣に定年退職後の準備も怠らないで済む。

しかし何十年もサラリーマンで過ごして身についた性分がそのチャレンジ意欲に蓋をし、惰性で定年退職してしまうのが一般的だ。
「普段通り問題なく時が過ぎるのを待っていたら何とかなるだろう」と考えたくなるのだ。

サラリーマンで人生を過ごしてきた人は定年退職前に初めて自分で心に火をともし、ポジティブな想像を膨らましてから第二の人生に突入してほしいのだ。
「何とかなるだろう」とか「そうならないと分からない」では未来を明るくすることなどできないと言い切ってもいい。

アドベンチャー精神こそが未来を変える

冒険心とかフロンティア精神というのはサラリーマンの最も苦手な心境なのかも知れないが、定年退職とは初めてひとりで大海原に船を漕ぎ出すようなものだと考えておくと良さそうだ。

誰も助けてはくれないから自分の力で櫓を漕ぎ、少しずつでも前に進まなければどんな小さな島にも辿り着けない。
何も考えずに漂流していたら大きな船が偶然通り掛かり助けてくれたとか、豊かな実のなる島に辿り着くといったことも絶対にない。

ほんのり輝く遠くの星を目印に希望を捨てずに櫓を漕ぎ続けるしかないと言ううことだ。

定年退職は人生最大の分岐点であり人生最大の苦難でもあると言うことを伝えたいのだ。