50歳になれば未来予想図をつくる

ドイツ:ノイシュヴァンシュタイン城

50歳を過ぎればいずれは来る退職のシミュレーションをしておくことはお勧めできる。
何も考えずにその日を迎えて「まあなるようになるだろう」と考えるのも悪くはないと思うが、最後くらい思うように過ごしたいなら、少しは計画的に作る人生があってもいいのではないだろうか。

そこで、いざ退職となってから慌てないように最後の人生をシミュレーションしておくのも悪くはないだろう。
決まっていることと、決めなければならないことや、想像できることなどを年表にして書いてみるといい。
50歳なら10年は考えることができるので、慌てずに準備できるだろう。

例えば何歳で退職するとか、退職後は何をする、年金はいつから受け取るとか、何歳までは健康で生きるなどだ。
自分でデザインした年表にそれらを書き込み、気が変わったら変更すればいいだろう。
書くことにより目標ができるので、行動を変えなければならない事もできてくる。
未来年表に80歳まで健康で生きると記したなら、喫煙は改めなければならないだろうし、酒の量や食事、運動もそれなりに努力をしなければ達成できなくなる。

生きている内に行って見たい所も書いておくと実行できる可能性も高くなる。
世界中どこへでも行く事はできるが、出来るだけ具体的に記入する方が夢が膨らむ。
例えば「2021年4月:新緑のドイツ、ハイデルベルクからニュルンベルクでタンポポの咲く古城街道」などと情景イメージを書いておけばいいだろう。
未来予想図の年表に書く半分夢のような事柄は、叶えたくなる希望なので、目標になるばかりか努力するためのモチベーションにも繋がるのだ。

しかし実際書いてみるといくら夢でいいとはいえ、そうそう埋まるものではない事に気付く。
シミュレーションで未来を思い描き予想するだけなのに、退職の時期すらいつがいいのか見当がつかなかったり、行って見たい所もアバウトにも思いつかないのが普通なのだ。
何年も時間を掛けて予想し、未来の年表を埋めていけばいいだろう。
50歳当時の私もそうであったが、子どもが大学生でお金もかかり、仕事の責任も大きく、一番大変な年代で定年退職だの退職後の生活や夢など頭の片隅にも出てくることは無かった。
だが、今となれば50代の10年という時はあっという間に過ぎてしまった。
50代は惰性で過ぎたとしても60代は惰性で過ごしたくはないと思うのだ。

そして60歳を過ぎた今反省するなら、50歳くらいから自分の未来を予測しておけば、不安も少ない今があったのではないかと思われる。
退職後に向けての準備を、もっと早くから出来たのではないかと考えられるのだ。

そこで60歳からの未来予想を50歳くらいから10年掛けて埋めていくことで、少しづつ未来が見えるようになり、退職後の準備ができるのではないかと思える。
テレビを見ていて綺麗な映像が映し出されれば、行って見ようと年表のどこかに記載してみたり、面白い仕事のアイデアが生まれると早い時期に書いておけば、それまでの時間を実行に移せるか検討したり、退職後に実行する準備期間とすることができる。

私の場合は既に60代に入っているが、今更ながら同時進行で年表を埋めている。
実際記入した予定日が過ぎれば実行済みとし、実行できなかった場合はその理由などを書き込んでいる。
だが、実行されるかどうかよりも、前もって自分で思い描いた未来に向かって進んでいるのか確認する目的に使う方が効力がある。

未来予想図を最後の夢に向かって進む指針にできれば、結果はどうあれ作った価値は高い。