退職金でリフォーム

今年、退職金でリフォームするなら急ぐ理由

今年3月末で定年を迎える人も多いのではないだろうか。
嘱託で雇用延長の契約をする人も、そうでない人も取りあえず退職金を受け取ることになるだろう。
その退職金を使ってリフォームなどを計画している人は急がないと消費税率10%引き上げの前日(9月30日)に間に合わなくなる可能性が高くなる。

「半年もあれば充分だ」などとのんきなことを言っていると、引き渡しが10月に入ってしまうと消費税を10%で支払うことになる。
軽減税率が適用されて2019年10月1日以降に完成引き渡しが伸びても8%の消費税のままで据え置いてもらおうと思えば、経過措置の条件として2019年3月31日までに請負契約を済まさなければならい。
急ぐ理由はそれだけではない。

間に合わなくなりそうな理由
1. 経過措置に間に合わない。
2. 4月以降の着工は遅れるリスクが高い。
3. 今年(2019年)のゴールデンウィークや夏季休暇が長く工期が伸びる。
4. 建築のオリンピック需要で職人不足と工事費が高騰する。
5. 異常気象による思わぬ災害の影響もリスクになる。

1. 経過措置に間に合わない

とにかく3月31日までに契約が成立していれば10月以降の軽減税率8%の恩恵を受けることができるのに、退職金を目にしてからなどの理由で4月以降の請負契約にしてしまうと、気持ちにも余裕がなくなり焦って事を運び、建築業者選びなどの失敗リスクが高まる。
消費税増税分の2%とは、建築業者選びだけでも違いが出る金額だと言うことを忘れてはならない。
例えば顧客満足度重視のリフォーム会社と利益重視のリフォーム会社で同じ見積もりを取ると2%以上の違いがあっても何も不思議な話しではない。
特に数百万以上の大きな建築工事になると業者選びを慎重にしないと、レオパレス問題の二の舞になってしまうリスクが高まると言う事だ。

2. 4月以降の着工は送れるリスクが高い

4月以降着工しようと考えていても、例えばリフォーム工事であれば、助成金などの支援制度の適用を受ける場合、その年度の申請受付が5月になるものや、認定までに1ヶ月以上かかるものもあり、契約から着工するまでに2ヶ月以上の期間を要することは稀ではない。
リフォームの助成金には国が窓口になっていたり、都道府県や市町村単位で受け付けているものを含め耐震や福祉に関わるなど種類が多く複雑で調べるだけでも時間を要する。
それだけではなく、リフォーム減税と言われる優遇税制もあるので調べておくと有利になることも考えられる。
所得税の控除などは税金を払っているからこその優遇であって、退職して所得税を払わなくなると受けることができない。
他にも固定資産税の減額や贈与税の非課税措置、登録免許税の軽減や不動産取得税の特例措置などがある。

3. 今年(2019年)のGWや夏季休暇が長く工期が伸びる

今年(2019年)のゴールデンウィークや夏季休暇は大型になる会社が多くなると予測されている。
ゴールデンウィークが10連休で8月の夏季休暇が9連休のよだが、当然連休の期間は業務が行われないので、ネット販売などは除いて特に建築資材などは発注や納期に影響が出る。
そのため工期に予備日が設けられるなどの工期延長に繋がるとみて間違いないだろう。
この二つの連休をまたぐ工事となるとかなり大きな工事だろうが、ゴールデンウィークは助成金申請の認定期間に影響を与え、夏季休暇は工期に影響を及ぼす可能性がある。

4. 建築のオリンピック需要で職人不足と工事費が高騰する

それでなくても日本中で職人不足による工事待ちの状態が続いている。
工事契約をしても「今年中は職人がいないから着工は来年になる」と言った状態の地域が多く、特に九州や東北は災害復旧の影響も長引いているようだ。
それに加えて今度は来年(2020年)に迫ったオリンピック需要の影響が既に出始めている。
新築やリフォームなど消費税増税による経済効果が、オリンピック需要に輪をかけることは容易に想像できるが、建築需要が高まっても職人不足はどうにもならず、建築工事の着工待ち状況は続くことになる。
それに伴って、この時とばかりに「景気が急上昇」と政治家やマスメディアが騒ぎ立て、建築材料や資材などと共に工事費が高騰することは、消費税増税以上のリスクとなって我々に襲いかかってくるだろう。

5. 異常気象による思わぬ災害の影響もリスクになる

昨年(2018年)も9月4日に日本に上陸した台風21号で近畿地方を中心に大きな被害を及ぼしたのは記憶に新しいが、「今年は絶対安全」などと言える根拠はどこにも存在しない。
工事期間中に災害に襲われるリスクもあれば、災害の影響で工期が延長されて9月30日の引き渡しが到底無理になったと言ったことも十分予測することができる。
そんな時に経過措置の3月31日までに契約をしておくだけで消費税8%の軽減税率を受けられるのだから、その時になって慌てることもなく落ち着いて工事を見守ることができる。

このような理由から今年3月末で定年になり、退職金でリフォームなどを考えている人は、3月31日までの契約で軽減税率や工事費高騰リスクから逃れることができそうだが、それも既に残っている日は少なく今が最後のチャンスになるだろう。
「この目で退職金を見てから判断する」などと言っていてはこのチャンスは見逃すことになると心配になる。

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