5Gがシニアの未来を変える

5Gで未来はどう変わる！

今年から5Gのサービスが日本でも開始される予定だが、まだピンときていない人が大半だ。
5Gがただスマホが早くなるとか映像が綺麗になるといった認識しかないのが一般的ではないだろうか。

5Gで変わる10年後の近未来を妄想してみた

2030年の春で73歳になったが免許証は最近返納した。
返納した理由は車の自動運転がレベル5に達し、地方にもその恩恵を受けることができるようにインフラが整ってきたからだ。

今日は車で30分程度の距離にある病院へ行くのと、そのついでに食料などを買ってこようと考えている。
病院へ行くのは半年ぶりで、いつもはオンライン診療を受けている。

ＡＩ搭載のスマートスピーカーに向かって「〇〇病院へ行きたい」と喋ると、壁に掛けてある薄いスクリーンに家の周辺の地図が表示され、そこに運行可能な自動運転車両が2台表示された。
5分で来れると表示が出ている方の車を選択してスマートスピーカーにそのナンバーを告げた。

家で待っているとスマートスピーカーから「自動運転車が到着しました」と音声が流れたため、すぐに玄関を出てそのワンボックスカーに乗り込んだ。
「出発します、〇〇病院へは30分後到着の予定です」と音声が流れ自動運転の電気自動車が音もなく走り出した。

車内に運転席はなく向かい合った4人掛けシートの後部側に座り、「ニュースが見たい」と告げるとカーテンタイプのディスプレイがフロントガラスを遮るように下りてきた。
そこに高画質の８Ｋ映像で世界の主要ニュースが映し出される。

私が利用している自動運転サービスは1000Km/月のライトプランで月額6000円の定額制だ。
以前車を所有していた軽費と比較すれば破格のサービス料だ。
もし自分で自動運転の車を購入しなくてはならないのなら一生無理だろうが、この定額制サービスのお蔭で逸早く利用することができている。

これは10年後こうなってほしいという私の希望的な妄想だ。

5Gで変わるのは通信だけではない

5G（第5世代移動通信システム）の3つの定義が高速大容量、低遅延、多数同時接続だ。
これだけを見れば通信だけの技術であるように思ってしまうが、機械やロボット、家電などあらゆる物と融合することで今までの常識が通用しないほど未来を変えてしまうと言われているのだ。

もちろん変わるのは車の自動運転サービスだけではない。
運送、建設、住宅、農業、スポーツ、ゲーム、エンタメ、会議、教育、防犯などあらゆるジャンルに応用されれば仕事だけでなく私生活にも大きく影響を及ぼすだろう。

私生活面で高齢者が利用できるとすれば例えばスポーツ観戦だ。
もちろん8Kの高画質スクリーンで家で野球を見ることもできるが、例えば実際に球場に足を運んでいる孫と臨場感を伴った空間映像で共有することが可能になっているだろう。
マジックリープというゴーグル型複合現実ウェアラブルコンピューターで空間送信される仮想現実を体感するのだそうだ。

人手不足の農業にも5Gを伴う技術で無人化した機械を制御するスマート農業が実現する。
しかしこれは大型専業農家の話しであって趣味程度の農業には当てはまらない。
趣味農業では土に触れ体を動かすところに意味を持っているからだ。

防犯ではテレビでよく見る事故当時の防犯カメラ映像でも、ほんの小さな車の傷までもくっきりと映し出すようになり検挙スピードや検挙率も格段と上がってくる。
既に中国企業が開発しているカメラを使えば、顔認証は基より体温測定まで可能にしている。

医療ではオンライン診察が進み、家に居ながら受診することが可能になって通院負担が軽減されるだろう。

5Gはいつどのように発展するのか

このような夢のような暮らしもすぐに始まるという訳にはいかない。
今年から5Gのサービスが導入されといってもまず最初は東京の一部の地域からだ。
全国どこの地域でも5Gのサービスを利用できるようになるのには数年掛かるだろう。

自動運転も今のところはレベル2でハンドルとアクセル、ブレーキを自動でサポートされる程度に過ぎない。
今後レベル3になって走行の全てを自動で行えるようになるが、この段階でも緊急時はドライバーの操作が必要だ。
レベル4ではドライバーがいらなくなり全ての操作が自動にはなるが地域が限定される。
最初に妄想して書いたように地域限定がなくなるレベル5になるのは2030年代だと予測されている。

5Gサービスには日本政府も前向きではあるが法改正を伴うことも多く、それに時間が掛かり世界的にも出遅れることも懸念される。
防犯などでは個人情報問題がブレーキを掛けることにもなりそうだ。

しかし5Gの応用技術は加速し意外に早く実現されるかも知れない。
最終的にはスマートウォッチとサングラス程度のウェアラブルだけで出歩けるようになりスマホは必要なくなる。