新型コロナウイルスの教訓

隣国の原発位置

突然の脅威はコロナウイルスだけではない!

昨年(2,019年)も何かと台風などの災害で苦しめられた日本だが、今年になってまさか感染性ウイルスに世界中が翻弄されるとは考えても見なかった。

新型コロナウイルスが与えた影響

今考えるとつい最近まであれだけ好調だった観光産業や旅行に関する仕事が、考えもしなかった新型コロナウイルスによって大打撃を被っている。
影響を受けているのはそれだけに留まらず、あらゆる業界に波紋が広がっているのが見て取れる。
まさかイベントやエンタメ関連まで影響を受けると誰が考えていただろう。

体力のない企業の多くがただ事ではない事態に直面していることは、経済評論家でなくても容易に想像できる事態だ。

大手企業も数千人規模で在宅勤務を指示しているようだが、在宅勤務社員のマネージメントに戸惑っている会社も少なくない。
まだ在宅勤務で賄える仕事ならいい方で工場や物販などは生産や販売を止める訳にもいかず、全国一斉休校での影響が不安を煽っている。

かつてない事態は今後の仕事のあり方にも大きく影響を与えることは間違いなさそうだ。
この新型コロナウイルスが終息したとしても、今後いつどのような脅威にさらされるか分からないリスクを考えなければならなくなるからだ。

突然の脅威に弱い日本

我々日本人は地震や台風に突然襲われる経験を何度も繰り返してきたが、それらの経験で何を学んできたのか疑問も多い。
これまでなら突然の脅威は自然災害だけのように思われてきたが、今回のようにウイルス感染による新しい脅威も加わったことで自分に影響が及ばなくても無関心ではいられなくなったのではないだろうか。

治安もよく規律や調和を重んじ社会秩序の保たれた日本は、世界的に見ても安全で平和な国であったはずだった。
ところが今回のような突然の脅威にさらされると、経済や政治の混乱が浮き彫りになり世界中から敬遠されるような状態になっている。
そう考えて見ると日本の安全や安定した経済が、如何に壊れやすくもろいものなのかを思い知らなければならないのではないか。

どれだけ日本が忠実に平和や安全を守ったとしても、自然災害はもちろん今回のような外力から逃れる術は簡単には見つからない。

突然の脅威は国内で生まれるものではない

今回のウイルスも故意で作られたものではないが、どれほど日本の衛生基準が高いと言えども防げたウイルスではなかったというのが現実のストーリーだ。

それと同じような考え方をすれば、日本でどれほど厳しい安全基準で原発を管理していても隣国の韓国や北朝鮮にはそれを当てはめることができないということだ。
2018年には韓国の月城原子力発電所(日本海側にある原発)で人的ミスにより冷却材が漏れて日本海に流れ出たという情報も一部で報道されている。
その原発のすぐ南にある古里というところには韓国でも最も古い事故の多い原発が存在している。

更に言えば北朝鮮の寧辺核施設は旧ソ連製の原子炉で、日本にある原発とは方式が違い安全性
の面で不安が大きい。
それはウクライナの首都キエフの北にあるチェルノブイリ原発がメルトダウン後に爆発し、人類史上最悪の事故を起こした原子炉と同じものだ。
このチェルノブイリ事故での放射能汚染区域は2,600平方キロメートルにも及びその地域の30万人が避難を余儀なくされた。

因みに北朝鮮の寧辺核施設から東京までの直線距離は約1,300キロなのと、偏西風を考えれば見過ごすことのできない脅威にもなりうる。
もしもこの核施設がメルトダウンを起こしたとしても、その時になって日本政府に国民を守る対策を期待することは難しいだろう。

今回の新型コロナウイルス同様、もはや人類は地球規模で突然の脅威にさらされるリスクを抱えているということを自覚して暮らさなければならなくなっている。

個人にできる脅威リスクの対応

新型コロナウイルスの実態はまだまだ解明できていないが、今までにない新しく出来た病原体であることは間違いない。
しかし人の免疫システムはあらゆるウイルスや細菌から防御できるように作られている。
ウイルスなどの異物が侵入すると、その異物を外に追いやるための抗体を作り出す力が人体には備わっているが、そのシステムを正常に保っていないと病原体に負けてしまうことになる。

免疫システムを常に正常に働かせようとするなら、適度な運動やバランスの取れた食事、通常体温(36.5度~37度)の維持に勤め健康を意識することだ。
免疫システムさえ正常ならどんなウイルスにも対抗することができると考えるのは、今後襲ってくるかもしれないどんな外敵からも身を守る唯一の個人ができる手段だと思うからだ。

なぜその前に原発の脅威に関して書いたかというと、人間が持つ免疫システムが少しの放射線によって悪影響を及ぼすことが分かっているからだ。
チェルノブイリ事故の被災者にも免疫系の悪影響が認められている。

もしそのような事故が発生した時に被爆から逃れるには逸早く避難するしか方法はないが、それには早い段階での確実な情報入手と前もって心づもりをしておくことが重要になる。
今回の新型コロナウイルスでも明らかになったように政府の対応や指示を待っていたのでは手遅れになる可能性が高いと思わざるを得ない。

原発事故も津波災害と同じで素早く避難しなければならない状況では迷っている時間はなく、普段からの心づもりが明暗を分けるだろう。

そのようなことは起きてほしくないが、常日頃から突然の脅威に対する危機意識を持っておくことが今回の新型コロナウイルスの教訓だ。