脳疲労を改善して仕事の効率を上げる方法

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脳エネルギーを効率よく使わないと疲労感ばかりが増し老化が促進される

モンキーマインドに支配された脳は知らない間に脳エネルギーを異常に使っている。
疲れることをした記憶がないのにいつも疲労感に苛まれている人は、脳をリセットしてクリエイティブな状態に戻すことをお勧めする。
それにはムーブメント瞑想が効果的なようだ。

人間関係は選んで作らないと毎日が疲れ果てる

例えば社内でネガティブな会話ばかりをする同僚がいたとしよう。
会話の内容は主に上司の悪口や愚痴が多く、何故か自分にばかり話しかけてくる。
それはあなたが聞き上手で話を聞いてくれるからで、話している方は相手の疲労感など気にすることはない。

このような場合、ただ話を聞いているだけのように思えるが実はエネルギーを消費していることを自覚できる人は少ない。
「今日は何故か疲れた」と心当たりもないのに疲労感がある場合、実は同僚の愚痴などネガティブな話を真剣に聞いたことによる可能性が高い。

心から楽しいことをしたときは体の疲れはあるものの疲労感は感じないものだ。
それに対して仕事でトラブルがあった時などは、体力を使ったわけでもないのに極度の疲労感に苛まれることがある。
例えば仕事とはいえお客様からのクレームを1時間に渡って真剣に聞いたとしよう。
丁重に謝りはしたが体力を使ったわけではない。
しかしその疲労感は次の日は休暇を取りたいほどのものだろう。

これは肉体的にエネルギーを消費した疲労とは異なり、脳がエネルギーを消費したことによる疲労だ。
体を動かしたわけでもたくさん喋った訳でもなく、唯々人の話を聞いていただけで脳のエネルギーを消費して疲れたのだ。

上司は選べないだろうが親交を深めたい同僚や仕事の相手は極力選んだ方が、無駄なエネルギーを使わずに仕事もうまくいく可能性が高まると言うことだ。

お客様が神様だったのは昔の話だ

最近ではお客様を選んで仕事をしている人も増えてきたほどだ。
どんなお客様も神様のように奉ったのは昔の話で、現在はお客様としての素質のいい相手としか取引をしない営業マンが増えてきている。

例えば無理難題を言うようなクレームリスクの高いお客様は、最初から敬遠した営業をしているのだ。
つまりサービスを受ける側と提供する側は対等なので、お互いが感謝しあわなければならないといった考え方に基づいている。

契約後に新規客から言い掛かりや理不尽なクレームを受けることで脳が受けるダメージとエネルギーは、すんなりいく顧客と比較すれば圧倒的な消費量になることが分かっている。
そんな新規客から得るものは負のスパイラルしかなく、今まで気づき上げた信用や問題解決に必要な時間、更にはサービスを提供した代価まで失うことがある。

楽しいと思ってやっている仕事もこのような新規客に遭遇すると、その楽しみまでも奪われることになるのだ。
効率よく仕事をするためには効率よく仕事ができる相手を探すことだ。

モンキーマインドに支配された脳は効率が悪い

私たち人間の脳は体重の2%しかないが、脳の消費エネルギーは体全体の20%を占めると言われている。
その脳を効率よく使わなくては仕事の成功や楽しい人生に大きく影響を及ぼすと考えなければならないだろう。

ストレスを受けるような環境や解決しないような多くの問題を抱えていると、脳エネルギーの消費が格段に増えるため疲労感も大きく感じるのだ。
脳エネルギーは何も考えていないときでも消費され続けていると言われているが、頭が多くの雑念で支配されているような状態をモンキーマインドといって更に脳エネルギーを消費してしまうことになる。

モンキーマインドに支配された脳は集中力に欠け、仕事もはかどらないばかりか疲労ばかりが溜まり効率も上がらない。
このような状態が多くなれば当然脳エネルギーを消費するのに伴い多くの酸素を必要とすることで、シニアになってからだと老化を促進させてしまう原因にもなるのだ。

必要以上に体に取り込まれた酸素が活性酸素となり、代謝過程において細胞障害をもたらすことで老化を招くのだ。
これらは酸化して体が錆びると表現され、白髪やシミなどが増える原因にも考えられるのがモンキーマインドなどの脳エネルギーの消費だ。

音楽を聴いても脳エネルギーは消費される

アメイジンググレイスのようなハーモニーの美しい曲を聴いた時と、ハードなロックを聴いた時では脳エネルギーの消費量は違ってくる。
例えば同じサックス奏者でも渡辺貞夫さんが演奏した曲を聴くのとデビッドサンボーン氏の曲を聴くのとではデビッドサンボーン氏の方が消費エネルギーは大きい。
なぜデビッドサンボーン氏の音楽を聴く方が消費エネルギーが多いのかと言うと、デビッドサンボーン氏が演奏に使っている息の量が多いからだ。

当然脳エネルギー消費量の多いほうが疲労感も大きいということになるから、音楽を聴く場合でも高年齢になってからハードな音楽は相応しくないということだ。

若い時は音楽を聴いて疲れることなど気にもしたことないだろうが、年齢が高くなるほど疲労感を実感できるようになる。
自然の多い静かな環境で暮らしている人が、たまに都市部へ買い物などに出掛けても疲労感が大きいと感じるのは、多くの人の顔を見ることで脳エネルギーの消費が増えたからだ。

静かな部屋で一人で仕事をしている人と、人の多いところで仕事をしている人の脳疲労の違いは脳が処理しなければならない情報量の差ということになる。

脳を疲労から解放するムーブメント瞑想

ムーブメント瞑想とは体を動かしながら瞑想することだ。
体を動かしながら一つひとつの動作に集中することで脳はリラックスして疲労から解放されるのだそうだ。
グーグルの研修プログラムで取り入れられている歩行瞑想はよく知られているが、これは歩く動作の一つずつを細分化して意識を集中させるものだ。

「右足を地面から離し膝を折って上にあげ前に出しながら地面に着地させる」「次は左足を地面から浮かし膝を曲げて前に出し地面に着地する」「右足を地面から浮かした時、右手は後ろへ送り」のように普段なら考えもせずになされている動作を脳で確認しながら行うのだ。
いつもは自然に何も考えずに行っている動作を一つずつ集中することで、雑念を入れない訓練になるということだ。
いものなら一つの仕事をしている時に次の仕事のことやプライベートなことを考えてしまうことはよくあるが、ムーブメント瞑想で訓練することにより集中力が高まり効率が上がるとされている。

ムーブメント瞑想は歩行だけでなく日常のルーティン化されている行動で行うことができる。
歯を磨いたり食事や入浴といった何気なく行っている動作で実践してみることがお勧めだ。

何も変わったことはしていないのに常に疲労感があったり、集中力が低下していると感じた時は脳が弱っていると思われる。
原因はいろいろあるが現在人に最も多いのがマルチタスク生活の影響だ。

歩きながらラインを打ったり、テレビを見ながらの食事、音楽を聴きながら料理など複数のことを同時に処理するようなことだ。
本来人の脳は複数の動作を処理するのが苦手にできているので、知らない間に疲労が蓄積されていくと言われている。

このような脳疲労からリラックス状態に戻し、クリエイティブな脳状態にする効果的方法がムーブメント瞑想という訓練だ。