新型コロナウイルスの影響は私のところにも!

新型コロナウイルスが半月で世界に影響拡大

新型コロナウイルスの人への感染が確認されたのはまだ半月程度前のことだ。
その半月でどれだけ多くの人が影響を受けたのだろうか。
特に旅行関連の経済的影響は計り知れないだろう。

予定していたミャンマー旅行の中断

前々から計画していたミャンマー旅行を出発の四日前に中断したのは、新型コロナウイルスの影響からだ。
購入しているチケットが中国経由ということもあり感染リスクはもちろんだが、中断した理由はそれだけではない。

身近な知人からは「こんな時期に海外旅行は行くべきではない」と当然のようにご意見を賜るが、当人にしてみれば2ヶ月以上も前から計画している旅行なのでそう簡単には諦めがつかない。

もちろん新型コロナウイルス感染リスクが海外渡航を取りやめる第一の理由だが、それに加えてミャンマーへ入国できない可能性まで持ち上がってきた。
豪華客船ダイヤモンド・プリンセスの感染ニュースが連日報じられるようになってから、各国の入国者への対応も一段と厳しくなってきたからだ。

そしてミャンマーでも最大都市のヤンゴン国際空港に到着した中国広州発の中国南方航空に搭乗していた中国人男性1人が、コロナウイルスによる新型肺炎の感染が疑われるためヤンゴン市内の病院に入院したと発表し、他の乗客乗員は全て同日午後に同じ機体で広州に引き返したというのだ。

更にミャンマー政府の場合は新型肺炎の国内への感染拡大を防ぐことが目的で、中国からの団体ツアー客に対する到着ビザ(VOA)の発給を一時停止すると発表した。
そして「新型肺炎の感染が収束するまで、中国人旅行者への一切のサービスを停止するよう、旅行会社に指示した」と述べている。

つまり中国からミャンマーを訪れる中国人はいなくなることから、中国の航空会社がミャンマー便の運行を一時見送る可能性が更に高まったということだ。
ましてや機内にひとりでも発熱など新型コロナウイルスと疑わしい人物が乗っているだけで、その便の乗客全員が入国できずに追い返される可能性があることだ。

この時点で自分ひとりが注意していればいいという問題ではなくなったのだ。

翻弄されたキャンセルまでの経緯

昨年12月に中国東方航空の公式サイトから格安チケットを探し予約したが、その時は1月中旬のチケットを探していた。
しかし思っていた金額のチケットが手に入らず、1ヶ月程度予定をずらすことにした。
中国の春節が終わった2月のチケットを予約したのだ。

関空から中国昆明で乗り継ぎをしミャンマーのマンダレーに行く便で、昆明までは直行便ということもあり乗り継ぎは一回だけと言うのが魅力の格安航空券だった。

新型コロナウイルスによる人への感染が確認されたのが1月20日だったが、その後春節も重なり世界中へと感染が広がった影響を航空会社はもろに受けた。

中国東方航空からは何の連絡もなかったが、今週に入ってから自分が予約しているMU2572便の運行状況を調べてみると、どうもその日は欠航しているようだったので関空にある中国東方航空へ電話で確認してみた。

するとその日はもちろんのこと運行再開の目途は立っていないと言われた。
欠航した理由は新型コロナウイルス拡大による乗客の減少だろうが、このような情報は決まった時点でメールでもいいから連絡してほしいと思うのは日本の常識で考えているからだろうか。
何も知らずに当日空港へ行って欠航だと知らされたなら空港までの交通費や前泊費用などの無駄な負担を強いられていたところだ。

いくら格安航空券だとはいえ私も顧客の一人だと文句の一つも言いたかったが、そこは大人の振る舞いに徹して変更なりキャンセルの対応はどうなるのか聞いてみた。
そうすると「こちらではではそういった対応はできないので大阪支店に電話をして下さい」とのことだった。

早速そちらに電話を入れて聞いてみると「MU2572便から自動的にMU748に変更されていますがよろしいでしょうか」とのことだ。
MU748便とはMU2572便の中国昆明までの直行便と違い、昆明までに上海を経由する便のことだ。

そもそも上海を経由するMU748便は少しでも多くの乗客を効率よく運ぶために上海から昆明までは国際線の乗客と国内線の乗客を一緒にして運ぶための飛行機で、関空から乗った昆明までの乗客を上海でいったん入国させ昆明まで国内線で運ぶようにした便だ。
そのため上海から国内線として利用する乗客も同じ飛行機に乗ってくるという訳だ。

もともとそのような厄介な上海経由便に乗りたくないから時期を一ヶ月ずらして昆明までの直行便を探したのだ。
新型コロナウイルスの感染を考慮してもこの上海経由便はリスクが大きいのは明らかだ。

中国東方航空が顧客重視ではなく明らかに利益を優先していると思えるのは、乗客が少ないというだけでも利益がでないとなれば欠航するからだ。
しかしそのような理由からネットなどでレビュー評価が低くても納得して格安航空券を買っているのだから仕方ない。

通常なら格安航空券ということで顧客からの変更も高額でキャンセルもできない仕組みになっているが、今回は新型コロナウイルスを理由とすればキャンセルしても全額返金されるようだ。

その時はチケット保留のまま電話を切ったが、今週になって新型ウイルスによるミャンマー政府の対応や事例がネットニュースなどで流れたことで今日再度電話をしてやむなくキャンセルした。

ひとり旅は残念したが今回学んだことは多くある

状況が変わり決断しなければならない時の多くの正確な情報を、どうやって得たらいいのかということもその一つだ。
今回の新型コロナウイルスがミャンマーからはまだ確認されていないこともあり、テレビや新聞でミャンマー政府の対応を報道されることもなく、ネットに埋もれたニュースの中からやっと探り当てたといった感覚だ。

中国の航空会社の対応なども日本の常識で考えていてはらちが明かない。
積極的に自分で調べて自分から電話をしなければ、いつまで待ってもメールですら連絡は来なかっただろう。

ホテルもオンライン予約サイトを使ったが、早めに予約をして1ヶ月以上過ぎてから同じホテルの金額を見ると同じサイトにも関わらず25%程度も割引されていた。
一度キャンセルして再予約するとその割引が適用されるが、気を付けなければならないのはキャンセル条件も変わっていることだ。

今回のような考えてもみない旅行リスクは誰にでも起こり得ることだが、特に個人旅行では無条件でキャンセルできるホテル選びが重要だということを学んだ。
これまでならキャンセル条件より立地やレビュー評価を優先していたが、今後はキャンセル条件を優先して考えたい。

60歳も過ぎていれば若い時とは違いどうしても慎重になりがちだが、あながち慎重すぎるのもいい結果をもたらすとは限らないようだ。
今回も1月中旬に出かけていれば新型コロナウイルスが拡大するまでに予定通りひとり旅が終わっていただろう。

1年少し前の関西に上陸した大風21号で関西国際空港が使えなくなった時も、ひとり旅に出る前日の出来事だった。
もうそんなことは起こり得ないだろうと高を括っていたが、そのときと同じ結果になってしまった。

前回は行く手段を失ってのキャンセルだったのであっさり諦めはついたが、今回は徐々にリスクが高まる状況にキャンセルの意思が固まらなかった。
最終的には家族や友人の心配してくれる言葉もブレーキとはなったが、多少のリスクは当然のひとり旅だと考えていたのでこのキャンセルが次の行動に悪影響を与えないかが今の不安だ。
「二度あることは三度ある」の言葉がただの戒めであってほしいと願うばかりだ。