定年退職して失うのはサラリーだけではない!

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定年退職後の居場所問題!

定年後居場所がないのは定年後の想像ができないから

定年退職後の準備では「やりたいこと」探すことが最も難しいと書いてきたが、その「やりたいこと」の次に難しいのが定年退職後の「居場所」だ。
「やりたいこと」が見つかれば必然的に「居場所」も見つかることが多いが、何も考えず準備しないまま定年退職を迎えると居場所すらないことに気が付くことだろう。

サラリーマンと定年退職後の差

会社というところは毎月のサラリーを稼ぐためだけに行っていたのではないことが、定年退職して初めて気が付くことだろう。

会社は毎月のサラリーの他に、居場所であったりやることであったり仲間などを与えてくれていたのだ。
「何をいまさら」と思うだろうが、この当たり前のことに定年退職後の変化を被せて考えない人が多い。
定年退職すればこの毎日当たり前にあった「居場所」「やること」「仲間」がサラリーと共になくなるということを重く考えなくてはならないのだ。

通勤時間に1時間以上掛けていた人も、定年退職して会社に行かなくていい喜びを味わうのは3か月程度だ。
その後は会社という行く場所があったことを懐かしく思い出す。
会社に行けば自分の居場所がありやることが用意されていたのだ。

居場所のない定年退職者が陥りやすい罠

仕事をしていた頃は、毎日何もせず家で過ごすことがどれだけ苦痛となるのか想像することもできなかったことだろう。
これは暇だけで片付けられる問題ではない。

家に妻など家族がいる場合は余計居場所がないと感じることだろう。
ショッピングモールや家電量販店などで時間をやり過ごす人もいるが、そう長く続くはずもない。
中にはパチンコやボートピアに居場所を見つける人もいるが、今までしたこともない真面目なサラリーマンに限ってギャンブルに手を出すと抜け出せなくなる。

最初は時間つぶしの感覚なので1円パチンコなど少額で遊ぶが、一度勝つと段々掛ける金額も増えていき気が付けば立派なギャンブラーになっている。
パチンコ、競馬、競艇でなくても株やFXトレードに居場所を見つけた人も結果は同じ事だ。

定年退職前に居場所を確保するという準備を怠ったばかりに、これらのギャンブル依存から抜け出せなくなり最後の人生を棒に振るという最悪の結果になりかねないのだ。

こんなところに居場所をつくる

「やりたいこと」と「居場所」を同時に解消している人の中には、資格取得やスキルアップのための習い事を持つ人もいる。
資格取得が最終目的ではなく将来自分で仕事をしたいためのスキルアップということだ。
中にはレンタルオフィスを借りそこで勉強する人や、公園や図書館で一日を過ごす人もいるようだ。

公園や図書館でも勉強という目的があるから長い時間を過ごせるのであって、目的も何もなければ長居はできないだろう。
料理教室に通う定年退職者もただ趣味で料理がしたいのではなく、将来小さな飲食店を夢見ている人も結構いらっしゃるようだ。
やはり「やりたいこと」があれば自ずと「居場所」もできると考えたほうがいいのかも知れない。

趣味で多いのは囲碁クラブや将棋サロン、雀荘やカラオケ喫茶だ。
お金も必要だがさほど高額ではないため毎日通い詰める人も少なくない。

今お勧めな居場所が田舎の空き家だ

田舎の古い建物の価値はないため、土地代だけで格安で手に入る物件は日本全国に山ほど存在している。
100万円以下で手に入る物件も少なくない。

そんな田舎物件を購入して「やりたいこと」を実践するのを勧めるが、田舎暮らしで「やりたいこと」は農業だけではない。
古い家をDIYでコツコツ改修して過ごしたり、改修後はゲストハウスや飲食店をオープンさせる夢を持つこともできる。
またそこで絵を描いたり陶芸をしたりする人もいるようだ。

田舎物件を購入したからと移住しなければならないこともなく、毎日通ってもいいし月曜日から金曜日まで田舎物件で寝泊まりし土日は家に帰る生活を送ってもいい。

田舎物件を探す条件は上下水道が敷地内に入っていることが最低限必要だ。
どれだけ格安とはいえ上下水道が使えない物件は後々高くつく。
もう一つ条件をつけるとすれば災害に強い物件だ。
今まで災害に遭っていないからといって絶対安心とは言えないからだ。
地形的に山際であったり谷が近いところや河川の堤防より低い土地はリスクが高いと言える。

定年退職後に「やりたいこと」が見つからない人にとって田舎はクリエイティブだ。
園芸や農業から芸術、創作活動、物づくり、更には飲食店まで可能性は都市部に比べ比較にならないほど高い。

定年退職後に「居場所がない」のは準備不足

在職中に定年退職後の居場所を準備できない人が多いのは、居場所があることが当たり前の仕事をしていたからに相違ない。
会社やデスクがあって当たり前の人生を長年送ってきて、まさか定年退職したら居場所もないとは思いもよらないからだ。

そのため在職中に準備をすることを怠ってしまい、定年退職して初めて気が付くことになる。
「やりたいこと」と同時に、定年退職したら毎日どこで何をして過ごすのかを考えておくことが重要だ。

これらの準備は早ければ早いに越したことはない。
生き甲斐や遣り甲斐には居場所なくして持つことはできないだろう。