定年退職は数年後に無くなる


どうも定年退職という制度は今後10年もせずに無くなりそうだ。
今、雑誌や経済新聞などでAIによる失業不安の記事を見ることが多くなってきた。
それらの記事によると、今人間が行っている仕事をAIに置きかえられる業種が増え続けていると言うのだ。

その結果、働く人材がいらなくなり、週休4日というような企業も出来てくるとされる。
1週間に3日しか働けないから給料は半額以下に落とされる。
このような企業は今の従業員でワークシェアしていく形態を取りながら、徐々に人を減らしていくと考えられる。

リストラを検討しているのはメガバンクを始めとする金融業で、現に今、みずほ銀行で2万人弱、三菱UFJも1万人弱の業務削減や店舗統廃合などの計画があるようだ。
これらはAIやフィンテックと言われる金融テクノロジーの普及によるもののようだ。
このような記事が出回れば、もう銀行に就職しようと考える者もいなくなるのは目に見えている。

東京オリンピックでバスやタクシーの自動運転が実現しているとしたら、それらは急速に全国に広がっていくだろう。
最近ではカジュアル衣料品のGUのセルフレジを使って驚かされた。
商品の入った籠をレジボックスに入れると、タグをセンサーに当てるなどの行為なしに、瞬時に計算されて金額が表示される。
女性の笑顔で「ありがとうございました」の言葉を聞いたのは過去の事になり、それが当たり前の時代がやってくるのだろう。

大金を払って大学を出ても、入る会社さえなくなるだろう。
世間でワークシェアが一般化されれば、平均年収は100万円台まで下がると予測する人もいる。
そうして企業でも安定した給料とか最低限の収入を保証してもらえなくなり、正社員の価値が下がって、サラリーマン自体存在しなくなる可能性が高い。
その挙句、退職金も無くなり、定年まで勤める人すらいなくなるだろう。

現在働いているサラリーマンの誰もが「まさか数年後にそんな極端なことにはならないだろう」と根拠もなく思っているが、それはリスクの少ないサラリーマンが考える自身への暗示に過ぎない。

過去にあった産業革命で一時的な失業者増から、それ以上の雇用を生み出してきた実績は通用しなくなっている。
生産性はいくら高まっても、それが雇用に反映されなくなってきているのだ。
AIを搭載したロボットやコンピューターが、この数年で急激に増えてくるのは間違いない。

世界的なAIブームが起きている今、世間は急発進して見たこともない新しい時代へと動き始めている。
動かしているのは平凡なサラリーマンではなく、巨額の資産を持った人たちだが、その世界のリーダーと言われる人たちが、世間に貢献しようと動かしているにも関わらず、結果は貧富の差を広げることになる。
そんな巨額な資産を持った人たちは、平凡なサラリーマンの生活が脅かされるであろうことなど、ほんの少しも気にすることはないだろう。

いち早く将来の不安を察知した銀行員などは、既に退職して次の時代に生きていける仕事を模索し始めている。
それも以前なら就職した時点で将来を約束されると言われていた、メガバンクの勤務年数が10年未満の銀行員たちが、将来の金融業を見切った動きをしているのだ。
こうなればもう定年退職の心配などすること自体が意味をなさなくなるだろう。

これまでも時代は想像以上に移り変わって来たが、今の時代が変貌しているスピードは過去に例がないほど加速していると言う人たちがいる。
その言葉を信用すれば悠長に「サラリーマンは安泰だ」などとは言っていられないだろう。
もうリスクの少ないサラリーマンの時代は終わりを告げ、誰もが想像力を形にして挑戦しなければ生き残れないような時代が始まろうとしている。

平凡に生きることが難しくなり、この数年の間に「やるかやらない」どちらかの選択を迫られることになるやも知れない。
サラリーマンから転職したeBayやアマゾンの創業者がそうであったように。