定年退職の真実(シニアブログ)

シニアブログ、定年退職の真実

定年退職とは会社勤めをするサラリーマンに与えられた労働契約終了のことだ。
言いかえれば組織に縛られていることから解き放たれ、やっと自由を手に入れることに他ならない。
この解放された喜びは、長年組織に縛られ続けてきた者にしか分からない喜びだ。
例えば事業主であったりフリーランスで働いてきた一度も組織に縛られたことのない人にはおそらく理解できないだろう。
この解放感を得られる定年退職こそサラリーマンの特権だ。

毎朝会社に出勤し与えられた仕事をこなし、自分の考えとは異なることにも意欲を示し、時には矛盾したことにも積極的に取り組まなければならないことなどが束縛と言えるだろう。
もう一つの束縛が責任だ。
昭和の時代は給料=労働だと考えていたが、平成が近づく頃からは給料=責任だと考えるように変わっていったが、その公式が歳を取るにしたがって給料<責任に変わってくる。
この会社に対しての責任からも解放されるのが定年退職なのだ。

この定年退職で失うものが何もないわけではない。
その内一番重要なものが安定した収入だ。
その他にも長年掛けて築き上げてきた会社での立場や、遣り甲斐、仕事での人脈などを失うことになる。

そんな生きて行く上で最も重要だと思えるものと引き換えに得るのが今まで味わったこともない自由なのだが、その自由がまさか自分の首を絞めることになろうとは経験した人でないと想像もできないだろう。
何ものにも縛られない自由ほど素晴らしいものはないと思って過ごせるのは、せいぜい退職から3ヶ月程度のようだ。

もし定年退職の準備ができていなければ、毎日行くとろろもやることもなく唯々時間が過ぎるのを待つことになるが、それがどれほどの苦痛になるかは計り知れない。

定年になっても退職せずに継続雇用制度を利用して嘱託や契約社員として数年間サラリーマンを続けることができるが、その時は束縛から解き放たれる喜びと失う物を天秤に掛けて人生を選択することになるだろう。
しかし継続雇用を選択したところで定年退職から逃れられるのはほんの5年程度に過ぎない。
5年という時などすぐに過ぎ去り退職せざるを得なくなる。

その時になってもっと早くから人生を見直しておけばよかったと考えても時は既に遅いだろう。
定年退職とはサラリーマンに必ずやってくる人生最後の分岐点だと考えておいて間違いはない。
人生最後の分岐点ということは、退職後今までのサラリーマン人生とは全く違う人生を作ることも出来るということだ。
今まで経験したこともない希望に満ちた未来が待っているかも知れない。

自分の人生が後何年残っているのかなど、誰にも分からない。
しかし今まで生きてきた年数と比べても、そんなに長い時間と言えないことだけは確かだ。
これから先の人生で一番大切な物は時間だということにどれだけの人が気付いているのだろうか。

葬儀に参列した時などに「お金は持って死ねない」などと耳にするが、正にその通りなのだ。
限りがある人生の残り少なくなった時間は貴重で何物にも代えることができない。
一番大切なものがお金ではなく時間だとしたら、その時間を何に使うことが幸せな人生と交換できるのだろう。

欲や見栄を捨ててただ自分の遣りたいことを継続することができれば、それが幸せを導いてくれるのだろうか。
それとも世の中のために自分の時間を使うことが心豊かな人生に繋がるのだろうか。
だが世の中のために時間を使うといった抽象的でただ美化されただけの言葉では実際何をどう行動したらいいのか掴めないので、それを具体化するために死ぬまで思案することになるのだろうか。

どうあれ定年退職とは人生において重要な意味を持つ分岐点に間違いはない。
そして定年退職が最後の人生を色鮮やかに染めるチャンスになることを信じてみたい。

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