継続雇用制度の違和感を逸早く感じているのは人材派遣会社!

David MarkによるPixabayからの画像

継続雇用制度の違和感は生産性に直結している

継続雇用制度とは雇用している高年齢者が希望すれば定年後も引き続き雇用する制度だ。
高年齢者雇用確保措置では「65歳までの定年引上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」がある。

継続雇用制度企業側の違和感

高年齢者を60歳定年後も雇用するに至っては人件費の矛盾を伴う。
給与を3割以上下げられるのが一般化しているが、企業と従業員の矛盾はそれぞれに存在している。

企業は継続雇用を受け入れても生産性が上がればいいと考えるが、高年齢者の高額給与を3割下げても今まで以上に生産性が上がるとは限らない。
役職を解かれ責任を下げられることによってモチベーションが下がり生産性にまで影響することも少なくない。

日本では人口に占める高齢化率が高くなっているだけでなく、企業の就業者に対する継続雇用者率が従業員が少ない中小企業ほど高くなっている。
更には都市部に比べ高齢者比率の高い地方へ行くほど継続雇用者率が高いのは言うまでもなが、この継続雇用者ばかりが増えると厄介な問題も出てくる。

一番の問題は継続雇用者の配置先だ。
どれだけ人手不足だと言っても、プライドばかりが高い役職経験者は現場では使えないことも多い。
しかも経済成長率の高い時代に社会人になりバブル景気を経験している人たちの使い道に苦慮している企業も多いのだ。


そうは言っても役職も責任もそのままで給与を下げられたのでは高年齢者従業員の矛盾が大きくなる。
今企業にとって高年齢者の労働生産性が大きな問題になっているのだ。

長年管理職を任されてきた人が一労働者に戻ることにも抵抗を感じる人は少なくないが、企業にとっても生産性の上がらない継続雇用者の使い方に苦慮している。

継続雇用者の違和感

技術職として60歳の定年まで働いてきた人はその後契約社員として継続雇用に移ると、個人のスキルに関係なく給与を下げられることに矛盾を感じるだろう。


営業職やマネジメント職にいた人は収入=責任と感じて働いていた人が多く、収入が下がった途端にモチベーションを下げてしまう人も少なくない。
特に管理職であった人はその職を解かれると、居場所を失くしたと感じて何も生み出せなくなってしまうこともある。

男性だけではなく女性の場合は特に同じ会社で継続雇用する場合の配置換えに不満が多いようだ。
内閣府などの調査でも男女の違いは見えてこないが、継続雇用制度を受け入れる女性は
男性に比べ遥かに低いと思われる。

継続雇用者の配置換えで明暗を分ける企業

これからの時代は、60歳からの継続雇用者だけでなく65歳からのシニア人材に活躍する場をどう与えるかによって企業の明暗が分かれるだろう。

60歳以上の高年齢者にもタイプが分かれ、継続雇用を受け入れる高年齢者が何を求めているのか見抜いて采配することも必要になる。
とにかく仕事がしたい人や収入を優先する人、スキルの高い人や人脈の広い人など、個人の持つ特性を活かしながら欲求を満たすことが重要だと感じる。

今後は高年齢者を適材適所に配置することで、生産性を上げる取り組みを逸早くシステム化した会社が生き残るだろう。
人手不足倒産が増えるような時代だからこそ早い取り組みが必要だ。

継続雇用制度が高年齢者求人需要に変わる

同じ会社で継続雇用を受け入れるより好条件で高年齢者の求人需要が高まれば、今のような継続雇用者は減ってくるだろう。

おそらく高年齢者メリットを活かせば人材が必要な業種の起業も成功率が高くなる。
仕事に対する意欲がありスキルが高く、経験豊富で即戦力となれば高年齢者を使わない手はないほどだ。

そして先進国日本の今後の労働生産性を上げる手段は、これをおいて他にはないのではないだろうかとさえ思えてくる。
現在の継続雇用制度を見ていると労働生産性を上げるどころか、全てにおいて先細りを助長しているように感じるのは私だけだろうか。

高年齢者の労働価値はそんなに低くはないが、もし高年齢者求人にデメリットがあるとすれば健康面だけだろう。
そのデメリットも考慮した上で採用し、人材配置すればいいのではないか。

その高年齢者の強みに敏感に反応し、ビジネスチャンスと考えて逸早く動いているのが人材派遣会社だ。
特にスキルが高く人脈の多い高年齢者はそれだけでアセットやリソース的価値が高く、売れる人材として扱われるようになってきた。

そのような人は給与の低い同じ会社で継続雇用を受け入れるより、給与も高く遣り甲斐も感じられる会社に転職するようになるだろう。
その結果、継続雇用者の使い方に何の手だても行わなかった企業は生産性の上がらない人材ばかりが残り、更に業績の悪化を招いてしまうことにもなりかねない。

今後は、このような継続雇用者のヒューマンアセットマネジメントがどの企業にとっても急務になることは間違いなさそうだ。

継続雇用で安売りしなくてすむ時代がやってくる

60歳で定年を迎え継続雇用制度を受け入れている人は、辞めてもすることがないし年金も65歳になるまでは満額で支給されないという理由で惰性で働いている人が多い。
遣り甲斐や使命を感じて仕事を続けているのではなく、取り敢えず会社に行けば収入を得ることができるといった考えの人たちだ。

多くの中小企業では継続雇用制度で従業員の平均年齢ばかりが上がり生産性が上がるとは思えない。
まだ定年年齢引き上げか定年制度廃止する方がいい結果に繋がるように感じるが、これも問題がない訳ではない。
40代50代の中堅社員にしてみれば、出世先の見えないモチベーション低下に繋がるからだ。

既にそのような給与が下がる継続雇用はいきずまりをみせ、人材派遣会社によって高年齢者の価値は見直されているが、惰性ではなく遣り甲斐のある継続雇用者のための配置作りに取り組む企業も増えつつある。

定年を迎えた高年齢者や企業にとっても、矛盾のない就業環境が自然の成り行きで来るのは間もなくだろう。

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