60歳からの人生を第二の青春にしようと思う所存

Linus SchützによるPixabayからの画像

肉体は老いても生涯青春でいたい!

最近「青春」という言葉すらあまり聞くことがなくなったのではないだろうか。
青春とは生涯を通して若く元気で「人生の春」と例えられたりもするが、著名人の中には「青春とは年齢ではなく心の持ち方にある」とか「青春とは心の若さだ」と言っている人も多い。

60歳から青春感情を意識する

「青春」という言葉のイメージそのものは60歳以上には当てはまらないものが多い。
「青い春」「希望に満ち溢れる時期」「信念や勇気を持って進む自信がある年頃」「情熱が持てる時」「恋する季節」など、我々60代以上のシニアには遥か昔に置いてきた感情だと感じているだろう。

縁のなくなった「青春」を再び感じるには敢えて意識しながら過ごすしかないが、改めて考えてみると青春の持つ感情イメージは60歳過ぎているから持ってはいけないというものでもない。
なのにどのイメージもシニア世代には相応しくないと脳が勝手に排除しているかのようでもある。

特に私のような凡人にはそのような感情を意識すること自体似つかわしくないと思ったりもするが、まだ人生の時間に余裕があるとするなら青春を感じて悪い理由は見当たらない。

残りの人生に老いを感じながら生きるのは自然なのだから無理をして若作りする必要もないだろうが、意識するだけでも人生が楽しくなるのなら第二の青春に希望を持ってもいいだろう。

定年退職が老後の入口だと感じるのは

60代は定年退職といった大きな人生の節目を迎え、生活そのものが一変してしまう年代でもある。
この節目に心を今までと同じように保つことだけでもそう容易いこととは思えない。
定年退職の節目が老後人生の入口だと、サラリーマンのほとんどが感じているのではないだろうか。
人生の3/4を終えて最終章に入った瞬間が定年退職だと感じ、ついに「老後」という言葉が自分の中に浸透し始めるのだ。

「老後」「健康不安」「病院」「おじいちゃん、おばあちゃん」「老化」「孫」などの言葉を聞いたり言ったりする機会が急に増えてくる年代でもある。
青春のイメージと掛け離れているのは言わずと知れたことだ。

このような定年退職後のイメージをネガティブに感じてしまえば、「歳だからできない」「もう若くないから」「体力に自信がないから」など何かと老いを理由にして自ら挑戦意欲や希望を捨てているようにも思えるのだ。

60歳からの人生が第二の青春と言われるのは

60歳を過ぎ定年退職してからも前向きに新しいことを始めたいとか、何かに挑戦したいと思うなら「今が青春だ」という意識を高めることで第二の青春が始まるような気がする。

青春という言葉は少し古臭いが、年齢を諦める理由にするよりは遥かにポジティブな考え方ではないだろうか。
「肉体的老化は見た目の変化であって精神の老化は情熱を失くした時だ」と言っている人もいる。


そして60歳からの人生を最も第二の青春と言わしめる理由は、自由な時間が手に入ることに尽きる。
考え方によっては若かりし頃の青春よりもよほど自由度は高く、世間的制約を受けることも少ないような気がしてならない。

できれば30代や40代のサラリーマンに希望を与えるようなシニア人生を送ってみたい。
30代40代が羨むようなシニア人生とは、誰に縛られることもなく思ったまま自由に生きている姿だ。
「あんな風な人生が待っているなら定年退職後の人生も悪くないな」と思ってもらえるような人生にするのが第二の青春と呼べるような人生だ。

青春と言うからには多少の失敗を恐れず前向きに行動する勇気を伴うだろうが、失敗もまた青春の証しだと考えることにしたい。
人生経験が積み重なるほど失敗には敏感になり、「いい歳をして恥をかきたくない」と考えるのが一般的だろうが、青春に失敗は付き物だと考えれば気も楽になりそうだ。

人生に勝ち負けはない

若い人たちの言葉だろうが人生勝ち組だとか負け組などと聞くことがある。
どうも人生の勝ち組とは、努力していい大学に入り年収が高い職業に就き、仕事とプライベートを両立させているような人のことを言っているのだそうだ。

そんな基準で人生を振り分けるならば、私などは人生負け組に分類されることは間違いなく、もう一生勝ち組に入れて頂く可能性もないだろう。
しかし誰に羨望だと言われようが人生に勝ち負けなどないことだけは明らかだ。

そんな風に考えることができるのも60年以上生きてこれた経験の術なのかもしれない。
今生きている人の人生は勝ち負けではなく、敢えて分類するとするなら過去の人生と未来の人生でしかないだろう。

既に終えた人生とこれから始まる人生を考えるとするなら、過去の人生は反省しても後悔してはならず、未来の人生は誰にも決められてはいないと言うことだ。
60歳過ぎて定年退職しなければならない人も、これから就職する20代の学生もそこだけは同じだ。

定年退職で自由を手に入れ楽しいと思える人生にするためには、青春という言葉すら戒めとすることも厭わない所存だ。