シニア男性に料理の趣味がお勧めなのは!

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シニア男性にとって趣味の料理はいいことだらけ

私が子どもの頃はキッチンに近づくと「男がキッチンに立つな」と叱られたものだ。
だが今は働き方改革で、帰宅時間の早くなったサラリーマン男性に料理を趣味にする人が増えてきた

シニア男性が料理を趣味にするメリット

60歳を過ぎるとやはり関心が高くなるのは健康や趣味だ。
定年を過ぎて時間に余裕が出てくれば趣味の一つも持ちたくなるが、健康を考えた食生活を改善する意味に於いてもシニア男性の料理趣味はメリットが大きい。
食生活改善を意識しながら料理を作るのだから、当然食材や調味料にもこだわりを持つことになる。

今まで奥様に任せていた料理という家事の一端をやることで、夫婦の会話も増え奥様の負担も軽減できる。
特に料理を好んでやっていなかった奥様にとっては、これ幸いと喜んで貰えること請け合いだ。

元々創作やものづくりは男性にとって欲求を満たす場合が多い。
今まで興味すら感じなかった料理を趣味にしたらハマってしまったという男性が多いのも頷ける。

定年退職してから料理にハマったある男性の話し

定年退職を間近に控えた頃、会社の同僚と創作料理店に行って飲もうという話になった。
少し離れた町に新しくできた料理屋だったが、少し変わった日本酒を置いていて評判も上々だと聞いていたからだ。

行って見ると確かにあまり見かけない酒の名前がメニューにあり、料理の種類は多くないものの今まで食べたことがないような料理名も載っていた。
予約をしてくれた同僚と話して料理と酒は店主にお任せすることにした。

こじんまりした店内は予約客で満席だったが、思った以上に早く料理が運ばれてきたので早速箸を付け食べてみると、今まで味わったことがない味覚に感激するほど旨かった。
釣りが趣味の同僚が調理された魚の説明をしてくれたが、「シンプルに煮つけた魚料理にしてこれほど旨いのはやはりプロのこだわりがあるのだろう」と絶賛するほどだった。

他の客が帰り、しつこく居座る自分たちの席に60代半ばの店主が来て閉店を促すのかと思いきや「如何でしたでしょう?」と料理の評価を求めて来た。
連れの同僚が「旨かったですよ、この辺ではなかなかこれだけの旨い料理を食べさすところはないですよ」と誉め称えた。
そして「どこか有名なホテルで料理長でもされてたんじゃないですか?」と酔いに任せて付け加えると思わぬ返事が帰ってきた。

「銀行マンですよ、定年まで勤めました」という店主に驚いて「それじゃぁ料理の修行とかはどうされたんですか?」と聞くと「独学ですよ」と返事が帰ってきた。
もう少し話しを聞くと、定年前に趣味で始めた料理にハマってとうとう店まで出してしまったと言うことだった。

帰りのタクシーの中で同僚が「お前も趣味がないなら今から料理でも始めてみたらどうだ」と言われる前に「自分にもできるだろうか」と考えていた。

それから1週間後には妻に内緒で料理教室へ申し込みに行っていた。
その後1年通った料理教室は止めたが定年退職後は料理の腕も上がり、自宅の家庭菜園で取れた野菜やハーブを使って料理を作り友人家族や娘の家族をを招いて振る舞っている。

料理を趣味にする切っ掛けになったあの店に一緒に行った同僚も招いたが、「お前も店を出したらどうだ」と誉めてくれたので、最近は自惚れて本気で店でも出そうかと考えているほどだ。

在職中では考えもしなかった料理という趣味を見つけたお蔭で、今では妻との会話も楽しくおまけに野菜やハーブ作りまでも楽しんでいる。
日々料理の研究に勤しみ忙しく過ごせるのは、あの時同僚と行った創作料理店の店主から聞いた話しが切っ掛けだったが、これほど自分が料理にハマるとは思ってもみなかった。

趣味の料理は男性向き

料理をするのだから家事であろうが趣味であろうが同じことだと言われそうだが、家事でやる料理はどうしてもネガティブな感情が先だってしまう。
その点趣味の料理は楽しみながら作るので常にポジティブな心が働く。

料理を作るというのはこだわればこだわるほど奥も深く広がりを見せる。
ただスーパーで食材を仕入れ家族の朝食や夕食を作る目的だけではない。

料理にこだわって食材を遠くの店に仕入れに行ったり、裏庭でハーブを栽培するとか近くの畑を借りて食材の野菜作りまで広げることにも心が動く。
時には近所のご夫婦や知人を招いて食事を振る舞えば人との触れ合いも広がるというものだ。

今のシニア世代が育った環境には「料理は女がするもの」といった考えが常識化していたり、長年サラリーマンをしていた人には美味しい料理はお金を出して料理屋に行くのが当たり前で、「まさか自分が作る」といった発想は出てこないかも知れない。

しかし料理は誰にでもできる手っ取り早い趣味で奥も深く、日頃から家事で料理をしている女性より男性向きの趣味と言えそうだ。

一度作ってみよう簡単料理「だし巻き卵」

サラリーマンであっても、人生で一度や二度は簡単な料理を作った経験のある人も多いのではないだろうか。
卵焼きやチャーハンなども簡単に作れる料理のひとつだろう。

例えば料理レシピで有名なクックパッドを頼って「だし巻き卵」に挑戦してみると、自分が料理を趣味にすることが向いているのか判断できる。

材料は「・卵2個・白だし小さじ2・蜂蜜小さじ1・水さじ2・片栗粉小さじ1・卵を焼くための油少々」とある。
そんなに難しい材料を揃えなくてもできそうな料理だが、この「だし巻き卵」ひとつでもこだわれば味は大きく違ってくるだろう。

例えば白だしを市販品ではなく鰹節や昆布から作ったり、蜂蜜の種類にこだわるのも味が変わりそうだ。
卵を焼く油にごま油を使ってみるとか、片栗粉を使う理由を知れば違うアイデアが沸いてくることもあるだろう。

一度簡単な料理に挑戦して料理を楽しむことができれば立派なシニアの趣味になることは間違いない。
ひょっとすればこのだし巻き卵が切っ掛けで、定年退職後の人生が大きく変わることもありうるだろう。

因みに私が料理を作れば味はどうあれ妻は大喜びで誉めてくれるが、誉めてくれる条件は後片付けまですることだ。
それは負担としか感じていない料理を作らなくて済む他に何の理由も存在しないものだ。

趣味の料理を定年退職後のシニアにお勧めしたいのは、夫婦円満で人付き合いが広がり生き甲斐にも繋がる要素がいっぱいだからだ。