シニア旅の楽しみ方が10倍変わる
私が始めて海外旅行に行ったのはシンガポールだった。
40年近く前になるが当時は勿論インターネットなどない時代で、行く前に情報収拾できるのは旅行雑誌ぐらいだった。
情報が溢れる時代になった今、旅の楽しみ方も大きく変わっている。
初めての海外旅行
シンガポールは仕事の関係のメーカーご褒美ツアーで、当然添乗員も付き何の不安もない旅行だった。
行きの飛行機がオーバーブッキングしていたのとチェックインが遅かったことで、シンガポール航空のエコノミークラスからファーストクラス席に変更されて快適な旅行だったのを覚えている。
初めての海外旅行ということもあり、行く前の一ヶ月ほどはシンガポールの少ない情報を探していろいろ想像したものだ。
実際行って見ると想像で描いていた景色や空気感とは掛け離れ、いい意味で他国の文化に刺激を受けたのを今でも思い出すことがある。
頭の中に情報がないから初めて見る景色に感動したり、初めて触れる海外の文化に刺激を受けたと言ってもいいだろう。
見るもの食べるもの触れるもの全てが新鮮で世界が広がったと実感できるほどの旅行だった。
情報に溢れた現在の旅行
今はというと海外に行くまでにグーグルマップのストリートビューまで使って調べるものだから、行ったこともないところでも土地勘まで付いてしまう。
初めて行った国も初めてではなほど食い違いがない。
それどころか現地に着いたすぐに徒歩で同行者を何の迷いもなくお勧めレストランに案内して「本当に初めて?」と驚かれることもあるくらいだ。
そして旅慣れした人のブログを読むと空気感までもが伝わってくるから、初めて行く国であっても昔のような不安はほとんどない。
そして外務省のたびレジに登録して行くので更に安心度が増す。
更に言えば渡航先でWi-Fiを使い地図アプリや翻訳アプリ、配車アプリまで使いこなせば怖いものなしだ。
海外に行く前や行ってからも情報が豊富ということは不安を減らすことに繋がるが、その分新鮮さも失われ緊張感もなくなるのは言うまでもない。
失った旅の楽しみを取り戻す方法
溢れた情報を取り過ぎたことにより失った旅の感動を取り戻そうとしたいなら人との触れ合いに限る。
旅先での人との偶然の出会いは、どれだけ情報があろうと予測することができないからだ。
だから偶然を大切にし、積極的にコミュニケーションを取ろうとすることが感激や新鮮さを演出してくれるのだ。
観光地ではもちろん写真で見る風景と実際に生で見る風景は同じではないが、まったく見覚えがない訳ではない。
一度写真や動画で見てしまえばそのイメージが記憶の中に残り、実際に実物を見た時の感動が薄れるのは仕方のないことだ。
一般的に日本人の旅行者にありがちなのは、実際に来たという実績だけを旅行の価値観にしてしまいどの観光地であっても足早に通り過ぎる傾向にある。
そのためその土地の歴史や文化を感じ取ることが出来ず、感慨深い思い出になることが少ないのだ。
特にツアーの場合は、ガイドによる時間指示がゆっくりできない原因になっていることもあるが、ゆっくり時間を掛けて見方を変えることで違った印象を見つけて新鮮に感じることもある。