小型乗用車で車中泊は可能なのか?
旅行好きな者にとって一年間どこにも行かずに過ごすのは酷と言うものだ。
定年退職してやっと自由に旅行に行けると思っていたが、なかなか思うようにならないのがこの世の常だ。
思うように旅行に行けないのはコロナのせいだけとも言えないが、それでもコロナ禍が大きな障害になっているのは間違いない。
歳はとっても「現実から離れて冒険したい」という気持ちは若い人たちと変わらない。
もしひとり旅を実現させようとするなら、問題はコロナとどう向き合うかだ。
60歳を過ぎたシニアにとってコロナのリスクは決して軽く考えられるものではない。
車中泊ひとり旅を想像
この歳で今ひとり旅に出かけるとしたなら、極力人と接する機会を少なくしコロナリスクを最小限に抑えた行動を優先しなければならないだろう。
まるで貧乏ひとり旅をコロナのせいにしているようでもあるが、私の場合は実際裕福でもないのだから分相応といったところだ。
国内でコロナリスクを避けながらひとり旅をするとしたなら、車で移動し車中泊するのが最善の策なのは容易に想像できる。
そしてひとり車中泊なら宿代も必要なく、高価なレストランで食事をする必要もない。
少し調べて分かったが、例えひとりであっても行き先や燃費によっては鉄道を利用するより車の方が遥かに安く上がりそうだなのだ。
もちろん有料道路を通らないことが条件にはなるが、急いで移動しなければならない旅でもなければ敢えて遠回りしたいくらいなのだから望むところではある。
そして昨今キャンプ同様車中泊旅行がブームになっているのは、エコカーブームに加えコロナ禍が後押ししているからなのだろう。
車移動、車中泊旅行のリスク
私は60年以上も生きているが、まだ一度も車中泊の経験はない。
車で一晩過ごすだけなので安易に考えていたが、調べれば調べるほど思っているほど単純なことではないことが分かってきた。
先ず寝る姿勢にも大きなリスクが隠れているようだ。
車の助手席でシートをいっぱいまで倒して寝ればいいということではないらしいのだ。
エコノミック症候群のリスクを避けようと思うなら、出来る限り平坦なところで休むのがいいのだそうだ。
ワンボックスタイプの車なら訳なく可能に思えるが、私が乗っているのは小型乗用車なのでそんな事すら簡単ではない。
車を一晩駐車する場所も道の駅や広い駐車場、道路脇の広い路側帯など、どこでも大丈夫だろうと高を括っていたが、長時間の駐車になると近年禁止されているところが増えているようだ。
最近のキャンプブームでマナー違反者が増え、多くの駐車場管理体勢が変わりつつあるということのようだ。
自分の判断で長時間駐車をしていて、不審車両として通報でもされればたまったものではない。
もちろん車のエンジンは切って就寝しないと、一酸化炭素中毒やエンジンの熱による火災などのリスクは取り返しがつかないほど大きなものだ。
そうなれば車内の温度環境にも注意が必要だ。
夏が終われば日照時間も急に短くなり昼夜の温度変化も激しくなるが、車中泊の経験がないのでどれほどのものか想像すらできない。
そして車移動で最も注意をしなければらないのが事故リスクだ。
年齢的運転技術の衰えは、例え60代とは言え自分の認識を超えていると考えるのが妥当だろう。
しかも初めて行く県外の道路事情も40年以上の運転経験は充てにはできない。
「慎重すぎないか」と思われそうだが、人生を間違わないためにこの位の注意は怠らないに越したことはない。
石橋は叩いても渡りたいのが冒険の旅だ
リスクばかりを考えていると何も実行できないからここはポジティブに考えることにしよう。
小型乗用車で体を伸ばして車中泊するにはどうしたらいいのか考えてみた。
後部座席を前方に倒して後部の荷物室にラゲッジボードなるものを設置しなければフラットにはならない。
購入すれば2万円以上も必要だがこの程度の物なら自作もできそうだ。
しかしそれだけでは寝床として短いので、助手席も前方に倒して後部座席との間を埋める物が必要だ。
だがこれを趣味のDIYで何とかするのも楽しみのひとつだ。
旅行や冒険には憧れるが元々キャンプなどのアウトドア派でもないから、オートキャンプのように車の外で料理をするようなことは不得手だ。
これからアウトドアの趣味を持つのも悪くはないだろうが、最初から多くを望まない方がいいだろう。
いくら貧乏旅行とは言え温泉くらいの楽しみは持っても悪くはないだろう。
RVパークの温水シャワーなら安価で使用できそうだが、旅行とするなら各地の温泉にでも入って癒されたいと考えても罰は当たるまい。
楽しみは温泉と観光、そして冒険といったところだ。
本来なら知らない土地の文化や人との触れ合いも期待したいところではあるが、コロナ禍が終息するまでは多くを望まない方がよさそうだ。
旅行の楽しさは思いついた時が始まりだ
旅行は旅だってからではなく思い立った時から始めっていると考えれば楽しさは倍増する。
これまで複数人で行った旅行でも幹事を買って出たのはそのためだ。
思い立ってから出発するまでの期間を最大限楽しむコツは、想像しながら準備することに尽きる。
出たとこ勝負的な旅行を否定するつもりもないが、年齢が高くなるにつれ安全で悔いを残さないような旅行がしたいものだ。
後になって「せっかくならここへも行っておくべきだった」などと思わないように充分調べたうえで行程を組むのが私流だ。
几帳面だと言えば聞こえはいいが唯の貧乏性な小心者だと言われても仕方ない。
自前の車を車中泊できるようにプランを考え、DIYで家にあるものを使って改造してみることにしようと思う。
行程や走行距離を確認し、車中泊の場所も調べながら想像する。
写真や動画を撮るための道具や充電方法などを考えているだけでもう心は旅先にある。
考えて見ればこの時の心境は、出発してからの本番よりも幸せ感が大きいとさえ思えてくる。
希望を持って生きるためにも行ったことのない地に思いを馳せ、行けるチャンスを伺うことにしたい。