万引きしてしまった!

Peggy CCIによるPixabayからの画像

万引きとは、商業施設で買い物客を装い代金を支払わずに商品を持ち去る行為なのだが、決して装ったのではなく実際に買い物をするためにこのスーパーを訪れたのは間違いない。

ある大型スーパーでのことだ。
いや決して万引きなどではない。
お金を払ったと思い込んでいただけだ。
ガソリンはセルフで入れるがスーパーでセルフは未経験だ。
レジに人がいればセルフだとは思わないだろう。

知らないうちに犯していた万引き行為
「そっち方面に行くなら○○スーパーに寄って買い物してきて」
と妻に言われ「じゃまくさいな」と思いながらもそのスーパーのカードを受け取った。

そのカードには1万円近いお金がチャージしてあると聞かされていたからお金の心配をすることもなく自分の用事を済ませそのスーパーに立ち寄ったのだ。

ウインナーなどさほど大した商品でもないものを買ってこいと頼まれたが、まだ出来て何年も経ってはいない大型スーパーで一度も買い物をした経験がなかった。
頼まれた商品がどこにあるのか分からずイライラを募らせながらもやっと見つけて籠に入れレジに向かった。
レジでは担当の女性に預かって来たカードを渡すと、「ありがとうございました」とそのカードを機械に通した後「袋はご入用ですか?」と聞かれたので「お願いします」と答えると、持ち帰り用のナイロン袋と共にカードを返して頂いたのだ。

そしてスーパーの籠を持ち帰り用の袋に詰め替えるためのテーブルで作業を済ませ、何も違和感を感じることもなく帰宅した。

帰った私はダイニングテーブルの上にその買い物袋を置き、もんくも言わずにその場を立ち去ったが、しばらくしてから「レシートはどこ?」と妻が言ってきた。
いつも買い物を頼まれたときは商品と一緒に買い物袋の中に入れるので「買い物袋に入ってる」と答えたが、その時になって始めて違和感を感じた。

そういえばスーパーでナイロン袋と共にカードを受け取った時、レシートを貰った記憶がないのだ。
妻:「いくら払った?」
私:「知らん」
妻:「困る~何でレシートがないの~」
私:「そんな事知るか!そんなに必要ならスーパーに電話したらええやろう」
妻:「私が?」
私:「レシートがほしいのはお前なんやから」

これだから買い物は嫌いだ。
しかしこの時、私の違和感は更に膨らんでいた。

確かにレシートは頂いていないが、レジは確かに通った。
なぜあの時レシートをくれなかったのだろう。
おそらく新人のパート従業員だったのでレシートを渡し忘れたのに違いない。
きっとそうに違いない。

スーパーに電話をした妻がわざわざ私のところまで来て「来て下さいやって!」と怪訝そうに言った。
私:「来いと言うなら行かないと仕方ないやろ」
妻:「私が?」
私:「当たり前やろ!」

ついでなので行ったがそのスーパーまでは車で片道30分程度、往復で一時間を要するのだからわざわざレシートを頂くためだけには遠すぎる。
確かにレシートを貰わなかった私が悪いと言われれば致し方ないが、くれなかったスーパーに非があることは紛れもない事実なのだから私が行くこともあるまい。

夫婦仲が悪くなる典型的な事例だ。
たかがレシート一枚の貰い忘れから熟年離婚に発展したとしてもまったく不自然ではない事例に違いないと心の中で感じながらも、優しい言葉の一つも掛けられない不器用さは戦後の団塊世代近くに生まれた日本人としては共通しているのだろう。

スーパーに行って帰って来た妻が言った。
妻:「あんた!万引きしてたで!」

私は耳を疑った。
今万引きと聞こえたがどういうことだ。

妻が表情一つ変えずに言い放った言葉は私にとってあまりにも衝撃的だった。
私:「なに!万引き?」
妻:「そう!万引き家族の、ま・ん・び・き!

どういうことなのかすぐには理解できなかった。

よくよく話しを聞いてみるとセミセルフレジとかで自分で支払いしないといけないレジだったようだ。
セミセルフレジとは商品のスキャンまでをお店のスタッフが行い、清算はその近くに設置してある清算機で行わなければならないというシステムのようだ。
それならそう言ってもらわないと分からないのは当然だろう。
お客様が全員セルフ慣れしている人ばかりとは限らないのだから。

「お客さん支払いはされましたか?」などとスーパー出たとたん呼び止められでもしていたらと思うと、いくら故意ではないとしてもそんな見っとも無いことはないだろう。

こんな失敗をするのは私ぐらいの者かも知れないが、ブログにでも書いてお知らせしておかないと同じような失敗をされる方がいないとも限らない。
シニア過ぎれば世の中の進歩に取り残されないよう早めに体験しておかないと、セミセルフレジのようなシステムが常識化してしまえば知らなかったで通用せず、知らないうちに犯罪者にされてしまいそうだ。