ゴーン氏と尾畠氏ならどちらの人生を選ぶ?

金持ちだけが幸せの道ではない!

平成30年を振り返れば60歳を超えた人たちの話題が多かったように感じるのは、私がこのようなブログを書いているからだろうか。
政治家からスポーツ関連のハラスメントなど、心豊かな幸せとは遠くかけ離れたニュースばかりが記憶に残った。
良し悪しは別にしても60歳以上の人たちが元気で活躍されているのは明らかだろう。

その中でもカルロス・ゴーン氏(1954年生まれ)などは超が付くほどの金持ちなのだから正直羨ましい。
例え塀の中でもゴーン氏ならお金の力で何でも叶えられそうだ。
比べて申し訳ないが日焼けした鉢巻姿が印象的なボランティア活動家の尾畠春夫氏が持っておられるものはシルバーの軽ワゴン車と健康な体だけで、ゴーン氏とは比較すること自体が空理空論と言えよう。

だがその二人のどちらの人生が幸せなのだろうと考えた時、心の豊かさでは尾畠氏に軍配を上げたい。
特に60歳からの人生に限定すれば、顔を見ているだけでも尾畠氏の方が幸せそうだ。
物欲や金欲を捨て、困っている人のために精一杯行動することは並大抵ではないだろうし、そんな尾畠氏のようになりたくてもそう簡単になれるものではないことは分かっている。

頭ではそのような幸せを理解することはできても、私のような俗人は未だにゴーン氏のような金持ちに憧れてしまうのが正直なところだ。
ただ、元々お金には縁がない人生を送ってきたせいか、今更お金を稼いでやろうといった欲も持ち合わせていない。

60歳からの幸せの道を探すために今できることは、先ず気持ちを切り替えることだろう。
60歳までのサラリーマン時代に長年頭を悩ませ続けた、会社の利益だの子育て資金などのお金に関することはもう考えなくてもいいと言われても考えずにいられないのが俗世界なのだ。
つい老後の必要資金などを計算してしまうが、そのようなお金に関することをこれからの人生設計を考える要にしてしまっては、本来求めている心豊かな幸せから遠のいてしまうと思えてならない。
尾畠氏を見ていても老後資金を心配している様子は伺えない。

定年退職の年齢になると一番気になるのが老後資金であったり病気の治療費リスクなどで、多くの情報メディアでも多額の老後資金だの老後破産などと不安を煽ったりするものだから、お金を60歳からの人生設計の第一条件にしてしまうのは当然といえる。
そしていくらお金を持っている人でもなお安心するために嘱託でサラリーマンを続けたり、人材センターなどに登録してお金を少しでも多く稼ごうとするがきりがない。

私たちの人生そのものが常にお金を中心に廻っているといってもいいくらいだ。
だが、それでいいのか?と疑問を抱き、頭を切り替え、お金ではない何かを優先して考える事が60歳からの人生に於いては重要になるのではないか。

お金第一の60歳までの長い年月から脱却して、心豊かな幸せに必要なものを見つけるために心を切り替えなければならない。

極端な例かも知れないが、ゴーン氏と尾畑氏の違いと考えれば理に適っている。

幸せとは自らの心の中に存在するものであって、無論金銭でどうにかなるものでないことだけは明らかだ。
しかしその単純そうな幸せ理論も、誰もが尾畠氏のような気持ちになれないように、容易く手に入るとはいかないようだ。