定年退職後に方を付けて心を豊かにすることとは!

定年退職後にやる一大片付けの本意

定年退職して時間を持て余していると感じた時は一大片付けがお勧めだ。
一大片付けとは生涯に何度もないような大掛かりな片付けのことを私が勝手に一大決心という言葉から引用して一大片付けと名付けただけだ。
これは終活としての片付けのように受け取られがちだが、本来の意図はこれからの人生を心豊かに過ごすための片付けだと考えてほしい。

一大片付けの条件

一大片付けと名付けたからには1日や2日で終わるような簡単な片付けではない。
だからといって一週間に一回程度を何週間も掛けてやることでもない。
計画を立て何日か連続して一気に終わらせるのがコツでもあるが、連続して行う理由はモチベーションを保つためだ。

日にちを空けるとその都度一から心を動かさなければならないのでモチベーションを保つのが難しくなる。
片付けはやらなくても急に生活を脅かすといった類のものでもなく、どちらかと言えばネガティブ要素の強い行動だからだ。

一大片付けの条件のひとつに家族の協力は必須だ。
特に同居家族の協力なくして一大片付けはできない。
最もネックになるのは高齢で元気な両親の協力を得ることで、最初は同意していたとしても途中から価値観の違いでモチベーションの腰を折られることは少なくない。

もうひとつの条件は春か秋の気候がいい時期を選ぶことだ。
真夏や真冬もモチベーションの維持が難しくなる。

さらに条件を追加するなら「この機会に方を付けてやるぞ」という強い意志も必要だ。

一大片付けの場所と量、種別などを把握する

どんな人でも生活をしていれば物が増え使わなくなった物も多くなってくだろうが、しかしそれは自分の物だけとは限らない。
私のように田舎に住んでいる人などは、家と一緒に何世代も前から受け継いでいる不用品も少なくないはずだ。

使わない物や不用品が部屋の中の見えるところにあることは珍しく、大概は押入や収納、納屋や倉庫、車庫などの見えない所にひっそりと存在しているのが普通だ。
普段滅多に入らない倉庫や納屋の二階などは、一度勇気を出して入りどんなものが置いてあるのか粗方把握しておくのがいい。

できれば写真を撮ったり手帳に記録するなどしておけば後で仕分けで悩むことが少なくなる。

一大片付けでありとあらゆる物と方を付けることは頭で考えるほど簡単なことではないのだ。

一大片付けの計画と準備

大掛かりな片付けなので計画を立てることが準備のひとつでもある。
先ずは片付け場所の順番だ。
一日目は二階の押入れで二日目は一階の押入、三日目は倉庫で四日目は車庫といった具合だ。
実際に片付ける時には仕分けをする場所が必要だ。
私の場合は妻の車を入れている車庫兼倉庫を仕分け場所に使うことにした。

もちろん一日では終わらないため妻の車は別の場所に仮置きすることになるが、田舎なので敷地も広く仮置きに困ることはなかった。

私が仕分け場所に選んだ車庫はコンクリート土間なので問題ないが、もし家の中の部屋などで仕分けするならブルーシートなどを前もって準備するのが賢明だ。

一大片付けは一気に方を付けるのがコツなので、収集ゴミに出すといった悠長なことを考えるのはよした方がいい。
ゴミは全て持ち込み処分で方を付けるのが得策だ。
そのためトラックが必要になるので、これも前もって借りられるか確認しておきたい。
私は近くの親戚に頼んで軽トラックを借りることができたが、やはりトラックがあるのとないのでは作業効率が大きく違ってくるのでレンタルできるところを探しておくべきだ。

もうひとつ準備するものとしては道具を忘れてはならない。
金づちやドライバー、のこぎりやバールなどだ。
これらの道具は仕分け作業に必要となるので処分品を見た段階でおおよそ見当をつけておけばいい。
例えば金属とプラスチックで作られている物は、簡単であれば分解して仕分けしたいためだ。

一番大変な仕分け作業のコツは無理をしないこと

仕分けとは燃えるごみ、不燃ごみ、金属、危険物、産業廃棄物などに仕分けをすることだ。

これらの定義は各市町村によってばらつきがあるため迷ったら問い合わせて確認するのが常套だ。

大方のごみ処分は予算が必要になる。
私の住んでいる市でも持ち込みゴミは有料処分となっているが、唯一金属だけは買取をしてくれる業者があるので不燃ごみとして処分しないように注意しておかなければならない。

特に最近は金属が高値で取引されているので、業者に持ち込んで買い取ってもらうのが得策なのだ。
私の場合は買い取ってもらった金属の料金で他の処分費が全て賄えたほどだ。通常ゴミを分ける場合は分類と言われるが、敢えてここで仕分けとしている理由は全てゴミとして分けていないからだ。
洋服などはほとんど燃えるごみとして処分できるが、中には古着で売れるものやベルト部分が金属のものもあるだろう。

ただあまりこだわって売れるものを探そうとしない方がいいのは、時間がかかる以上に方を付ける覚悟が揺らぐ原因にもなりかねないからだ。
仕分け作業で無理をしないコツとは思い切って処分するということでもある。

例えばそのままでも不燃物で処分できるのに手間を掛けて金属を取り外そうとする行為は、逆に無理をするあまりケガなどのリスクを大きくすることになる。

ゴミの仕分け例と処分の例

ごみ処分は経験して分かることも少なくない。
例えば車庫の中に置いてある使わないタイヤもそのひとつだ。
私の家の車庫にあったタイヤは一輪車のタイヤがひとつと昔のリヤカーの大きめのタイヤがふたつ、それに車のタイヤだ。

私の住む市ではホイールに装着した一輪車のタイヤは不燃ごみで処分できるが、他のタイヤは不燃ごみとして処分できない。
そこでオートバックスに問い合わせたところ「ひとつ330円で処分します」とのことだったので一輪車以外のタイヤの処分をお願いした。

市によって違いもあるが農協と書いてある肥料袋やリフトの荷揚げで使うパレットなども産業廃棄物と見なされ燃えるごみから除外された。
そもそもなぜこのようなパレットが何枚も家の倉庫にあるのか不思議だったが、田舎なので肥料などを置く台として使っていたのだろう。

肥料袋は農協に持ち込み処分を頼んだが、パレットは全て木材なので解体して再度燃えるゴミとして持ち込めば処分して頂けた。
市にもよるが産業廃棄物の定義も確実なものではなく結構グレーなところもあるのだ。
同じ物でも燃えるゴミかそれとも産業廃棄物なのかによって大きく処分費も違ってくる。

昔灯油を入れていた200Lのドラム缶は空の状態だったので金属として買い取り業者に持ち込んだ。
とにかく処分方法が不確定なものはダメもとで持ち込むと、意外に引き取ってくれたり処分先を教えてくれるものだ。
危険薬物や消化器などは、それらを取り扱っているところなら有料で処分してくれると思って間違いないだろう。

取り外して置いてあった何枚もの木製ガラス戸は、ガラスを割って取り外し不燃ごみで処分し木枠は燃えるゴミとして持ち込み処分した。
この時のガラスはまとめるために丈夫な紙袋に「ガラス危険」と書いて取り扱ったが、それは我が家のゴミで誰にケガを負わせても申し訳ないからだ。

一大片付けが終わった感想

心が晴れるとはこのことだ。
いつも心の隅で片付いていないところのことが気になっていたが、そこへは近付かないようにし気にしていない振りをしていたのだ。

本気掃除と同じで徹底してやった片付けは心の隅々まで気持ちよくしてくれるものだ。
中途半端な片付けなら到底こんな気持ちにはならないだろう。
しかしこれも定年退職して時間に余裕があるからできることで現役中では難しい。

一大片付けと名付け今回で方を付ける意気込みが功を奏したお蔭で、車庫も倉庫も家の中にも多くのスペースを取り戻すことができた。
中には処分するかしないか悩んだ物も多くあったが、そのほとんどのものが処分できたからだ。

多くの物に方を付けてできたゆとりスペースは、心の中にも同期したようにスペースをつくり心を豊かになったと実感できるほどだ。