60代から始めた登山で道に迷ったら?

圏外の山の中でスマホが役に立つのは!

最近のコロナ禍で密集を避け、人の少ない登山やハイキングが人気とあってソロ登山や初心者夫婦登山なども増えているようだ。
そこでいざという時に役立つスマホ地図アプリで最も知られているグーグルマップの使い道を紹介したい。
詳しい使い方は多くのサイトで紹介されているので、ここではどんな使い方ができるのかなどを説明したいと思う。

登山やハイキングで使うグーグルマップ

グーグルマップとは言わずと知れた地図アプリだが、スマホを持っているならそのグーグルマップを使わない手はない。
「言われなくても使ってますよ」と言う声も聞こえてきそうだが、こんな時にも使えるということを知っておくだけで随分と役に立つことがある。
多くの方は登山やハイキングに出かける前に、そこに行くまでのルートであったり遠くの場合はホテルやレストラン、カフェの場所、登山口などの情報を調べているようだ。

だがこのアプリが本領を発揮するのは登山やハイキング中のその時だ。
登山などで道に迷った時、一番の不安になることは自分のいる場所と方向だ。
もし道に迷った時は方位コンパスと地図が命綱となるのは誰も知る常識なのだろうが、登山家や高い山に登る愛好家でない限り地図や方位磁石などを持って山に入る人は少ないだろう。

ましてや私のように標高1,000以下の低山で3時間以内に下山できるような山に登る人の多くは、装備も最低限で元々方位コンパスなど持ってはいない。

そんな時に役に立つのがスマホのグーグルマップアプリだ。

登山やハイキングに行く前にスマホでやっておく事前準備

いざという時にこのスマホ地図アプリを役立てるのには準備が必要なのだ。
そしてその準備をする前に知識として覚えて置く項目が次のふたつだ。
・山に入れば電波が届かないところがほとんど。(モバイルデータ通信ができなくなる)
・圏外で通信できなくてもGPS(人工衛星からの電波)は使える。
つまり山に入ればスマホの通信電波は使えなくてもGPS電波は使えるということだ。

そこで事前にやっておく準備として欠かせないのが地図のダウンロードだ。
予定している山の周辺地図を前もってダウンロードしておくことで、通信電波が使えなくてもグーグルマップをスムーズに使えるようになる。

オフライン(モバイル通信を使わない状態)で使える通常の機能は経路検索などのナビ機能と目的地検索だが、山で使うのは位置情報と方位情報、それに地形情報だ。
方角を知るための方位磁石機能はスマホの個体機能なのでGPSとは無関係で、その精度には個体差もあるようだ。

勿論オフラインマップの使い方を覚えたり、予備電池などを確認しておくことも重要な準備だ。
Googleマップのことは知っていても通信電波とGPS電波が別物だということを知っている方は少なく、ましてや山の中で圏外なのにスマホが役立つと分かっている人も多くはないようなのだ。

できれば事前に確かな登山道の休憩地点を決めておき、その場所をGoogleマップ上にスポット登録しておけばこれ以上のことはないだろう。
(スポット登録はオンラインでしかできない)

登山やハイキングでスマホ地図アプリを使う注意点

登山やハイキングでスマホ地図アプリを使う注意点もある。
それは先ず何であれ過信しないことだ。
「スマホがあるから大丈夫だ」という思い込みや先入観は最も危険だ。
例えば山で遭難しかけた時もいざとなればスマホがあるからといった自信過剰な思い込みは状況をさらに悪化しかねない。

そのために最も大事なことは普段から使い慣れておくことだ。
登山やハイキングに出かけて山で休憩した時などにオフラインマップで自分の位置情報を確認したり、スマホが示す方位がどのくらいの精度なのかを知っておくことだ。
特に方位情報はスマホ自体のセンサー機能になるのでその精度はスマホの個体によって違いがある。
ましてや何年も前に購入したスマホなどはGPS機能を使うだけで電池の消耗も激しく、スマホの仕様によってはすぐに熱を持ってフリーズし使い物にならないものまであるからだ。
そしてもしものためには小型モバイルバッテリーの準備も必要だろう。
小型モバイルバッテリーを準備するなら雨に濡らさない対策も必要だ。
スマホは防水でもモバイルバッテリーや充電用USBケーブルなどが濡れてはいざという時に使い物にならないからだ。

そして遭難しそうになった状況下で初めてスマホを使おうと思っても、焦りばかりが先行して冷静な判断ができなくなるのは言うまでもない。

私がグーグル地図アプリを使うのは

実際にグーグルマップアプリをオフラインで使ってみて分かったことだが、地図レイヤーをデフォルトから地形に切り替えると標高までは分からないまでも尾根や谷の状況を確認することができたので遭難しそうな時や不慣れな山をひとりで下山しなくてはならないような時には役にたちそうだ。(パソコンでは地形レイヤーで標高もある程度確認できる)
因みに私のスマホでは航空写真レイヤーがオフラインでは使いものにならなかった。

私は登山家でも登山に慣れているわけでもなく言うなれば登山初心者だ。
60歳過ぎてから低山と言われる標高の低い山、しかも3時間程度で下山できる山にしか行った経験はないが、登山経験の多い人に言わせればそんな人こそ注意を怠ってはならないと叱咤に近い忠告を受けることになる。

特にいくら低い山でも経験の少ない者がひとりで登山することほどリスクが高いことはないとも言われる。
そう言われると確かに道に迷いかけたことや誤って滑落リスクの高い方角に進んだ記憶も思い当たる。
そこでハイキング程度の低山に行く前に必ず行っているのが、その山の登山道やリスクのリサーチとスマホを使ったシュミレーションだ。
初めて登る山のリサーチやシュミレーションをするのとしないのとでは明らかに事故リスクに大きく影響すると確信している。

登山道のリサーチとは自分が行こうとしている山の登山道がどの経路を辿っているのかや、その道中に潜む危険箇所などを調べることだ。
このリサーチは主にパソコンを使うがそのとき使うのがGoogleマップのストリートビューや航空写真、登山情報サイトなどだ。

それが終わるとスマホの設定をWi-Fiもモバイル通信もOFFにして事前にダウンロードしているGoogleマップを立ち上げる。
そしてレイヤーを地形にして山の起伏状態などを見ながら登山ルートを辿ってみるのだ。
その登山道がどれだけ初心者コースであっても高年齢と言うだけで予期せぬ体調不良や足を挫くなどのリスクがあるのは常識と言ってもいいが、そんな緊急時でも自分の位置情報が分かるだけで遭難リスクは減らすことができるだろう。

健康のためにもお勧めしたいハイキングや低山登山だが、安全で楽しい登山を心掛けるためにも一度試してほしいスマホ地図アプリだ。