リズム脳トレ「パラディドル編」

認知症予防に脳トレとして効果がありそうなドラムの練習テクニックを紹介している。
もし60歳からの趣味にドラムを考えているなら、そのままスティックを持って実践すればドラムの基礎練習になるものだ。

今回は「シングルパラディドル」というテクニックの解説をするが、パラディドルのパラとは平行とか並列を意味するパラレルからきている。
電気設備などでも使うパラ接続(並列接続)と同じ意味になる。
ディドルは「悪い」といった意味だが、ここでは恐らく「だます」と捉えた方がピンとくるだろう。

パラディドルとはルーディメンツと言われるマーチングやドラムコーの小太鼓(スネアドラム)の基礎技術の1つで、近年はドラムを学ぶ誰もが取り組む練習の1つになっている。

しかし誰でも簡単にできるリズム脳トレとして紹介したいので、スティックは持たずに両手で膝を叩いて挑戦してほしい。
用意する物はスマホのメトロノームアプリだけだ。


やることは簡単で右膝を右手で左膝を左手で叩くのだが、順番を右左右右 左右左左 を繰り返す。
動作は至って単純だが、これを♩=90でメトロノームに合わせて正確に叩こうと思うとかなり難しくなる。

基準を定めるため4つの音を1つのグループとし、最初の音にアクセント(強調)を付けるようにする。
最初のグループは右左右右なので右にアクセントを付けるが次は左右左左なので左にアクセントがくる。
連続して演奏すると右と左を交互にアクセントを付けることになる。


♩=90で正確に叩けるようになると次は2倍の速さで叩けるようにする。
メトロノームは♩=90のまま、♩を♪にするだけで2倍のスピードにできる。
その後はまたスピードを2倍にすれば16ビートで色んな曲に合わせる事が出来るほどのテクニックが身についていることになる。

このシングルパラディドルはアクセントがポイントとなる。
アクセントを付けようと思うと腕の振り幅を大きくしなければならないが、その動作をしやすくするために、アクセントの前の2つの音を連続して反対の腕で叩くようにしていると言える。

このシングルパラディドルを上級者の応用では、アクセントを2つ目の音に変えたり、3つ目の音、4つ目の音に変えることもよく行われる。
ツツツ、ツツツ、ツツツ、ツツツからツツツ、ツツツにしたりツツ

、ツツツ、またはツツツ、ツツツにすることで難易度は急にアップする。
手の動きも同じようにずれるのでツツツ、ツツツはLRR、RLLが一つずれるとツツツ、ツツツはRRL、LLRとなる。
手を動かす順番は変わってなくても、脳と神経がついていかないから難しいのだ。
60歳を過ぎて自分の脳や肉体をコントロールすることが、どんなに難しいことか思い知ることになるだろう。