反復運動で幸せの健康促進

反復運動で反射神経回復

60歳が過ぎ歳を重ねるごとに反射神経などは急に鈍くなってくる。
高齢者が家の中で骨折するなどの事故が多いのも、条件反射に伴う感覚的能力の衰えが原因なのは明らかだ。
そこで60歳を過ぎたら反射神経を高めるためにお勧めなのが、ウォーキングやスクワット、ランニングなどの反復運動なのだが、天候や体力に左右されずに継続できるのが、私がお勧めする「リズム脳トレ」だ。

リズム脳トレと聞けば介護施設などで行われているイメージが強いが、私がお勧めしているリズム脳トレはそれらに比べかなり高度なもので、まだまだ健康でこれからドラムを始める若い人にも通用するものだ。
ドラムの練習に使われている多くのリズムパターンは、脳の活性化に効果がある反復運動そのものだが、第2の心臓と言われているふくらはぎ近くの膝を手で叩くことで血流をよくするマッサージ効果まで得ることができる。

この他にも幸せホルモンと呼ばれているセロトニンが反復運動によって脳内に分泌され、情緒の安定などに効果をもたらす。
セロトニンの分泌は反復運動を開始してから30分ぐらいでピークを迎えると言われているので、リズム脳トレもできれば30分以上するのが好ましいだろう。
ランニングハイなどもこれらの一種であろうが、多くのアスリートと呼ばれる人たちが反復運動に幸せを感じることを証明していると言える。
それらの反復運動を自分の好きな音楽に合わせてできるとしたら、その効果は倍増されると考えたのがこの「リズム脳トレ」だ。

このブログで取り上げる「リズム脳トレ」の動きやリズムパターンは主にドラムの練習には欠かすことのできないもので、ドラムを練習する場合に最も効率よく上達が見込める訓練内容になっている。
優れた演奏家が持つテクニックは、想像できない程の時間を地道な反復動作に掛けた証しなのだ。
両手両足に個々の人格が宿っているかのようなドラムプレーヤーも、最初は単純な反復練習から始まっている。
普段の生活で使っていない動きを脳や神経に強要することで、反復運動の効果を更に高めてくれ、認知症予防の可能性に希望が持てる。

普段使っていない脳とは、右手を意識すれば左手は右手の動きに騙されたり、同じ動きを反復すれば突然の違う動きに反応できない事をいい、それらを訓練によって鍛えることで反射神経を補う事ができるようになる。
何かにけつまずいても脳や神経が俊敏に反射することで、骨折などのケガを防ぐ能力が高まる。

このブログで紹介していく「リズム脳トレ」の基準スピードを♩=90からにしているのにも理由がある。
♩=90のスピードとは1秒が♩=60なので、1秒の1.5倍のスピードとなるが、難易度を考えた時、スピードが速いのも難しいが、遅いのは尚難しくなる。
一定のスピードを維持しながら反復動作をするのに最も適したスピードには個人差も大きく関係するが、速すぎると脳や神経がついていけず、遅すぎればその時間を待つことができなくなる。
経験の浅いバンドが「スローバラードやるには10年早いよ」と言われるのは、「ゆっくりしたリズムを体得するには長い時間の訓練が求められ、1年や2年で身に着くものではない」との理由に基ずくものだ。

完全なタイム感を体得するためにはメトロノームとシンクロすることを意識することが重要になる。
訓練が不十分なアマチュアドラマーの演奏が下手に聞こえやかましいと感じるのは、両手両足のタイム感がバラバラで合っていないのが原因だ。

同時にリズム感を訓練するときに欠かせないのが、アクセントの意識と言える。
アクセントを意識するだけで訓練の効率化を最大限に引き出せると考えている。
リズム脳トレで使うアクセントは、反復運動の基準点を見失わないために使うもので、音楽的要素とは少し違いがある。

出来ればシリーズ化したい「リズム脳トレ」で使うドラムテクニックは、ルーディメンツ、ポリリズム、チェンジアップ、ビートテクニック、両手足のコンビネーションテクニックなどだ。

今までは当たり前であった健康を60歳からも維持することは、最後の人生を幸せに過ごす基本でもあるが、そのためには意識して何かを始めないと癌や認知症のリスクを下げることはできないだろう。