シニアが教える夫婦円満の秘訣!

トントン0715さんによる写真ACからの写真

在宅勤務で不幸を招かないために!

在宅勤務や外出自粛で思わぬ不幸を招かないためにも意識しなければならないことがある。
生活の変化がもたらす悪循環に陥り、知らずしらずに不幸が忍び寄っていても気付かずにいれば取り返しがつかなくなる。

夫婦仲が悪くなる些細な原因

離婚に繋がるような大喧嘩はそれまでの些細な原因の積み重ねが招いている。
在宅勤務などで夫が家にいる時間が増え、主婦の80%が「イライラが増えた」とアンケートに回答しているようだ。

イライラしている時に相手を敬うとか感謝することなどあり得ないのは誰でも分かっていることだが、逆に小さな行動や言葉で相手を攻撃していることも自覚していないことがほとんどだ。

夫:「おい、晩飯は?」
妻:「まだ6時にもなってないのに準備もしてないけど」
夫:「じゃあビールでも飲むわ」
妻:「どうぞ」
夫:「何かつまみない?」
妻:「探せば!」

この時の妻は内心「いつもならこの時間に家にいることなどないくせに、勝手なことばっかり言って、少しは自分で出来ること考えたらどうなの」となり、夫は内心「俺がいること分かっていて少しは気を遣ったらどうなんだ」などと思ってしまう。

これでは妻のイライラも溜まって少しずつ言葉で反抗したくなるのも分からなくもない。
最初の内はこの程度のどこの家庭でも見られるような会話と思えるが、この積み重ねが少しずつ溝を深めることになることは誰でも理解できることだ。

夫:「今日は俺が買い物行ってこようか?」
妻:「急にどうしたん?」
夫:「いや、料理は作れんから買い物くらいはと思って」
妻:「じゃあお願いします」
夫:「買い物リスト、ラインしといて」
妻:「分かった~気を付けてね」

最初のイライラが溜まる会話と同程度の言葉数ではあるが、ほんの少し相手に感謝した行動や言葉を使うだけで妻のイライラは起こらず逆に感謝されているのが分かる。
これは夫婦であろうと親子であろうと同じことだが、いくら家族であろうと相手に期待するのではなくほんの少し感謝の気持ちを表すだけで不幸に向かう生活を回避できるという例だ。

「今更そんなことを人に言われなくても分かっているよ」と笑われそうだが、意識しないと出来ないのが一般的な日本人だ。

在宅で仕事はしても家は会社ではない

会社では自分のデスクがあり気を使ってくれる部下もいるが、サラリーマンにとって職場とは緊張感に包まれた場所でもあるはずだ。
そして仕事を終えて帰り、家に求めていたものは安らいだりくつろげる場所であったはずなのだ。

在宅勤務は上司の目もなく部下にサラリーマンとしての姿勢を見せずに済む、言わば緊張感とは無縁の環境だ。
とはいえ場所が変わっても効率よく仕事をしなければならないと考え、会社と同じような緊張感を持って仕事をしたいと考えるのがサラリーマンの特性だ。

しかし家で、会社と同じように緊張感を持って仕事ができる環境を作ろうなどと考えること自体ナンセンスだ。
学校も休みで子どもがいたり、パートで勤める奥様も自宅待機で家にいる場合もある。
そこは正しく職場ではなく家庭だということを忘れてはならない。

そのことを忘れて会社と同じような気持ちで仕事をすると、家庭を破壊することになる恐れがあると警告したいのだ。
子どもが騒いでも「お父さんは仕事中だ!」と叱りつけるのは止めた方がいい。
奥様に「コーヒー入れてくれないか」と部下のように使うのも止めた方がいい。
どれだけ仕事が捗らなくても家庭を優先しなければならないのが在宅のルールだ。

テレワークという言葉から返って生産性が上がると決めつけている会社があるかも知れないが、テレワークと在宅勤務はまったく別物だ。

在宅勤務で徐々に悪くなる変化に気付くことが重要

在宅勤務を始めてから数週間経てば一度立ち止まって状況の変化を意識して考えて見ることは重要だ。
仕事の効率や夫婦仲などが在宅勤務前とどう変わったのか反省してみると、見えていないことに気付くことがある。

在宅勤務で気持ちが変化している例
男性の場合
・妻のイライラが募っているのか最近特に言葉がきつくなった。
・家なのに何故か落ち着かず仕事も捗らない。
・妻の言葉に苛立ちを感じるが我慢している。
・子どもの世話で仕事どころではない。
・会社に行っている方がましだ。
・もう会社にも行きたくない。
・残業はないが子どもが寝てから夜も仕事をしている。
・夫婦喧嘩が増えた。
・子どもを叱ることが増えた。
・妻や子どもに手を上げそうになった。
・出勤している同じ会社の人に後ろめたい気持ちが増している。
・家にいるのが辛い。

女性の場合
・身勝手な夫に苛立つ。
・子育てに自信を失った。
・子どもを叱る回数が増えた。
・情緒が不安定になったと感じる。
・在宅の夫に子どもを任せて仕事に出るのが不安。
・優しい夫にきつく当たってしまう。
・夫が何も手伝おうとはしないので腹が立つ。
・実際に体調が優れない。
・家族にストレスを感じる。
・自分の口数が減ったと感じる。
・家事を放棄したい時がある。

最も力を合わせて乗り切らなければならないのが家族だと分かってはいても、このような悪循環が知らずしらずの内に家族の絆を奪っていく。
特に分かっているようで分かっていない夫婦の絆は脆いものだ。

もしこのような心の変化に気付いたなら、家族に優しく接することを意識してほしい。
ほんの少しの優しい言葉や行動が家族のストレスを和らげ、正常な家族の生活に戻してくれる切っ掛けになる。

今は使えないダメなことわざや例え言葉

亭主元気で留守がいい
昭和生まれにはお馴染みのことわざだが特に今は禁句にしてほしい。
在宅勤務や外出自粛で家にしか居場所がないからだ。
ゴロゴロしている夫を粗大ごみのように掃除機で突くのは以ての外だ。
少しだけ優しい口調で「お父さん~お風呂掃除してお湯入れてもらってもいい?ごめんね」と言って少しだけ奮発した酒の肴でも出してもらえればそれでいい。

売り言葉に買い言葉
例え妻から嫌味なことを言われようと同じように返してはいけない。
普段なら負けじと言い返しているところだが、ここは敢えて優しく返事をしなければうまくはいかない。
「会社行ってないんだから掃除でもしようって気にはならない?」と言われて、「それもそうだな、風呂でも掃除しとこうか」と返す心の余裕が欲しいところだ。

夫婦喧嘩は犬も食わない
普段なら犬も食わないほどの些細な喧嘩も、家で過ごさなければならない今の状況下では離婚の種にも成りかねない。
夫婦であろうと相手を敬い気遣いするだけで家庭が円満になり幸せの道となるだろう。

魚心あれば水心
相手が好意を持って接してくれるならこちらも好意を持って接することができるといったことわざだが、相手の好意を待って接するのではなく相手の好意を呼び込む意識が必要なのかも知れない。
それは夫婦であっても同じことだ。
長い時間一緒にいなければならない運命ならば尚更だ。