心を動かさないと何も始まらない!

何かを始めるのに60歳という年齢は関係ない

無気力無感動無関心は我々しらけ世代の三無主義と前々回書いたが、これでは何も始まらない。
モチベーション以前に先ず心を動かさないと、人生が何一つ変わらないということだ。

何をしていいか分からない

今多くの定年退職者が会社から離れた後、何をして日々を過ごしたらいいのか分からない人が急増しているようだ。
仕事一筋で人生の大半を過ごし、家族を守ってきたからだ。

例え付き合いや接待にしても、ゴルフや釣りなどの趣味を持っている人はまだ幸せな方だ。
「本当に何もないんです」という趣味も好きなこともない人が多く、定年退職してから人生を持て余す人が増えているのだ。

三無主義が身についたしらけ世代ということもあり、自ら何かを始めようとするような気力もなければ仕事以外に関心を示すこともない。
できれば誰かが適当な仕事を紹介してくれないか待つことくらいだ。
将来に希望はなく何かいいことがないか日々期待して過ごすのがやっとといったところなのだ。

しかしそんな期待が叶うことはなく、段々と家にこもりがちになって更にそのやる気なさは悪循環となり時間だけが過ぎて行く。

心が動くことを探そう

定年退職も間近だがこの先何をしたらいいのか分からない時は心が動くことを探すのがお勧めだ。
人は心が動かないことを率先してすることは絶対といっていいほどない。

前回書いたゴルフでも何かに刺激を受けてこそ心が動くのだ。
例えば澁野日向子プロが全英オープンに優勝したのに感動して影響を受けるといったことだ。
先ずはどんなことにでも先入観を捨てて興味を示すことからが始まりになる。

興味を示すということは好奇心という、誰にでもある欲求を抑え込まずに解放しようとする心の動きも必要だろう。

「今自分は何に興味があるのだろう」と考えて見ることも必要だ。
「そんなことは言われなくても理解している」と聞こえてきそうだが、実は三無主義の人は考えることすらしないのが現状と言っていい。
サラリーマン時代仕事以外の余分なことに神経を使いたくないと考えてきた結果だと言っていいだろう。

心が動くことはそうそう多くはない。
仕事も含めスポーツや芸術をはじめ旅行や勉強など、とにかくジャンルを決めつけることなく心が動く自分に合ったものを探すことだ。

とにかく始めないと何も始まらない

当たり前のようだが、ここでつまずく人が最も多いので敢えて伝えたい。
心が動くものがあったとしても始めない人が多いのは不思議なくらいだ。

いや実はそういう私も例外ではなくその口だからよくわかる。
先入観や思い込みが邪魔をして始める前に心を抑え込んでしまうのだ。
勿論やることによっては、よく調査をしてリスクも考えながら始めなければならないことも多い。

しかし早くからリスクばかりを考えてしまうと前には進めないのだ。
とにかく私たちのしらけ世代は、「石橋を叩いても信用しない」思想を持っている人が多いと思われる。
特に先入観や思い込みは新しいことを始めようとしている人にとっては敵と見なしてもいいくらいだ。

とにかく最初の一歩を踏み出すことの難しさは今の60代にとっては問題だ。
世代によっては始めることより継続することの方が遥かに難しいと言われる人もいるが、始めないのは継続する以前の問題なのだ。

勇気が必要なのも始める時だ。
心が動いた時、始めるまではその気持ちを持続させなければ始めることはできない。

例えばオリンピックに備えて外国の人とコミュニケーションを取りたいので英語を勉強したいと思っても、独学では自信がないし、かと言って英会話の塾へ申し込みに行く勇気もないと考え、ときめいた心を鎮火させてしまうようなことだ。

他にもスカイプを利用した通信教育や短期留学などの方法もあるが、一度心が鎮火してしまうとできない理由ばかりが頭に浮かび結局始めることすらできないのだ。

目的は何であれもし語学を勉強したいと心が動いたなら、とにかく独学でもいいから始めてみることが先決だ。
今の60代であるしらけ世代は他の世代に比べ始めてしまえば継続は得意なはずだ。
それはオタク第一世代であることで証明済みだ。

始めてみて途中で問題が生じたり思ったより進まなければその時に考えれば済むことだ。

ボランティアだけはよく考えてから行動しなければならない訳

日本のボランティアとは他人や社会に自発的に奉仕する活動が一般的だ。
だが特に被災地などへ、やることがないのでとか興味本位といった理由で出向くボランティアは間違いだ。
一番悪い例は人から感謝されるためとか自分探しのような旅行気分でいくボランティアだ。

たまに聞くのは自分の体力にそぐわない被災地ボランティアで、熱中症で倒れたりボランティア中にケガをして返って被災者に迷惑を掛けてしまったといった事例だ。

ボランティアは大切だが、誰でも何でもいい訳ではないということだ。
ボランティアに参加する時はプロ意識を持って責任ある行動が要求される。

心を動かすやってみたいこと目録

・体を動かす仕事
全国にあるシルバー人材センターに登録をし、自分に合った仕事を探して頂く。

・農業
農地を確保できて農業に興味があるならやってみる価値あり。

・パソコンを使った仕事
クラウドソーシングやデータ入力などの内職的な仕事は内容によってその分野のスキルが要求されるが、多種多様な内容の仕事があるのでやってみると思わぬ才能に気付くこともある。

・スポーツ
60歳になってからでもゴルフや自転車などは挑戦できるスポーツだろう。
元々スポーツが好きな人なら60歳からできる新しいいスポーツを考案し、全国に広げることに人生を掛けてもいいだろう。

・芸術系の趣味を持つ
絵画や音楽など芸術にあこがれを持ったことがあるなら定年退職後に挑戦するのはお勧めだ。
例えば音楽でも楽器演奏だけでなく、作曲や作詞を退職後に始める人がある。
私の場合は時間のある時にDTMソフトを使ってパソコンに打ち込みで音を入力し、作曲やアレンジをしている。
1万円も出せばかなり優秀な機能を持った音楽作成ソフトが手に入るので手軽な趣味といっていい。

・語学の勉強
語学と言えば一般的には英語を選択する人が多いだろうが、一から始める場合は英語にこだわる必要はない。
近くで行きやすい国の言葉であったり交わることの多い国の言葉でも構わない。
最近なら成田から2時間で行けるヨーロッパとしてウラジオストクが話題だが、ロシア語を勉強するのも悪くはないだろう。

・旅行や写真の趣味
経済的余裕がなくても旅行にこだわることはできる。
健康でさえあれば世界中を旅してみることもできるだろう。
なにも豪華な旅行だけが旅ではない。

・地域の仕事
住んでいる地域にはいろんな役割や繋がりがある。
市会議員に挑戦して地域のために役に立つのもいいし、区長などその地域になくてはならない役割も多くある。
率先して地域で活躍するのも悪くはない。

始めてみれば視野は広がる

何でも臆さず始めて一生懸命継続していると、その内段々と視野が広がってくると言う人がいる。
例えば語学を一生懸命勉強していると検定試験を受けて見たくなり、その後は通訳の仕事をしてみたくなるというようなことだ。

しかし最初から期待するとうまくはいかないから期待は厳禁だ。
期待はしないで長期的希望を捨てないのが、人生を豊かに生きる秘訣のようだ。

今自分が出来る事を見つけ誰よりも一生懸命やってみることだ。
その内、道が開けてくるだろうがどこにもそんな保証はない。
「辛い経験や失敗を何度も何度も重ねて初めて小さな喜びを見つけることができる」と多くの過去の著名人が言っている。

60歳からでも遅くはない。
勇気を持って始めるだけだ。