60歳から始めるパソコンやスマホの目的

今、60歳を境にパソコンを使っている人と使っていない人が二分されているようだ。
60歳以下の人はパソコンが使えないと仕事ができないが、60歳以上の人がパソコンを使えなくても何とか仕事をしてこれたのは、パソコンが普及したころには部長などの役職についていて部下に指示するだけで仕事が成り立ったからだ。
しかし定年退職して思い思いの人生を歩むことになった人には、今からでもパソコンやスマホなどを使いこなすことによって、最後の人生を心が潤う道具としてほしい。
スマートフォンも60代の個人保有率が50%程度まで上がってきているが、まだまだ電話とメール程度の使い道に留まっているのが現状のようだ。

60歳からパソコンを始める目的
1. 情報収集
2. 買い物
3. 情報発信と交流
4. 書類作成は購入動機だけでいい

1. 情報収集
60歳過ぎた今でも再就職をしようと思うとパソコンが使えるかと聞かれることが多いが、エクセルやワードが仕事上で多く使われているので、パソコンと言えばエクセルやワードのことだと捉えられていると言ってもいいくらいだ。
その所為なのか60歳からの生徒が多いパソコン教室でもエクセルやワードを主に教えている所も未だに多くあるが、60歳にもなればエクセルやワードより、これからの生活に役だったり心が豊かになる切っ掛けにパソコンやスマホを使ってほしい。

これだけインターネットが普及しているのだから、エクセルやワードや電話のためではなく、先ずは情報収集のためのパソコンやスマホに主な目的を変えることが望ましいのではないだろうか。
情報収集にはグーグルやヤフー、ユーチューブなどがあるが、いつもグーグルやヤフーで情報収集している人にとっては何のことはなくても、初めて使う人には難しく感じることも多いだろう。
しかし使いこなせるようになれば「これほど便利な物はない」と感じることができるはずだ。
例えば旅行を検討しているなら、自分で情報収集できるだけで旅行価値を高めることができるし、野菜を作っている人なら、土づくりや品種の情報を自分で得ることで楽しさは倍増するだろうと想像できる。

2. 買い物
人は高齢になるほど健康面での心配が多くなるが、それに伴って心配になるのが身体変化による生活環境だ。
足が痛ければ買い物に行くのも大変になったり、田舎暮らしなどで運転免許を返納しなければならない状況になれば買い物にも行く事ができない。
そんな時インターネットが素晴らしく役に立つだろう。
おそらく今後は働き方改革などによって物流システムも大きく変わっていくことが予測できるが、それに伴って送料も格安時代がやってくる。
そうなれば今以上にネット通販の勢力が拡大し、多くの食料品も通販で賄えるようになるので、パソコンやスマホは通販の目的でなくてはならない物になるのは目に見えている。
もし自分が買い物に行けない状況に置かれても、今と同じような生活が送れるように準備するならスマホやパソコンでネット通販ができるようにしておくのが賢明だろう。

3. 情報発信と交流
SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービスのことだが、今や60歳以上の人の多くもインスタやフェイスブック、ツイッターと勤しんでいる。
誰もが何らかの人との繋がりを求めているのだろうが、目的もなく時代の流れに乗るだけの動機で始めている人がどれほど多いだろうか。
しかし動機はどうあれ、始めてから人との繋がりで喜びを得られるならそれに越したことはない。
中には日々の畑仕事の様子をスマホで動画撮影してユーチューブで投稿している人もいるが、例え見てくれる人が少なくても励みに繋がるのは間違いない。
私も60歳過ぎてからブログを始めたが、善かれ悪しかれ継続できているのは楽しみや希望に繋がると信じているからだ。
退職してからはブログに加えカメラを買って写真や動画を撮って編集することも始めたが、カメラや写真などの知識はまったく持ち合わせていなくてもユーチューブに投稿することは何の問題もなかった。

60歳になるまで子どもの成長に伴って幾度となくカメラを買い替えても、使うのは運動会かたまに行く旅行の時くらいだったが、それに対し今回買ったカメラの使用頻度は格段に多く、撮影や編集の経験が増えるのに従って技術や知識も上がっていったことで楽しさも分かって来た。
言うまでもなく、写真や動画の編集にパソコンは欠かす事ができないので、趣味を通してパソコンを始める切っ掛けにするのことが一番お勧めできる。

4. 書類作成は購入動機だけでいい
敢えて書類作成を最後にしたが、ワードやエクセルでゴルフコンペの案内や地域の仕事の書類を作成するのがパソコンの購入動機となっている人も多いはずだ。
だがせっかく買ったパソコンなら文書作成編集機だけの目的ではなく、旅行や趣味、そしてライフスタイルの価値を高めるための道具として活用することができれば、老後の心潤った生活基盤に繋がること請け合いだ。
前回の記事「もうワードもエクセルもいらない!」でも書いたが、定年退職したならワードやエクセルをパソコン教室に通って習う必要もない。

※前回の記事

無料で使えるGoogleドライブがワードやエクセルの代わりになるのか 定年前に母屋の隣に建つ古い木屋(納屋)をリフォームして定年後の居...
「習うより慣れよ」でとにかく毎日使って経験が増えると使えるようになってくるものだ。
パソコンだけではなくスマホも同じで、毎日使って慣れなければいつまでたっても携帯電話機のままだろう。
最近たまに60代の知人から「簡単スマホの使い方を教えてほしい」とお願いされるが、普段使っていないので私にとっては簡単スマホが簡単ではない。
普通のスマホに慣れているだけで、いざ説明しようと思っても使い方を調べておかないと簡単スマホにアプリをインストールするだけでも往生することになる。
60歳になるまでパソコンやスマホに縁がなかった人も今から始めて遅い理由は何もない。
分からないことは息子や娘、孫や隣の青年であろうが教えてくれるので何の問題もないだろう。
「変わりゆく社会で老後を生き抜くため」とは言い過ぎになるが、心潤った老後に近づく道具にパソコンやスマホを使ってほしい。