「仕事辞めたい」と思ったらサラリーマンの特権を思い出せ!


長年サラリーマンをしていると忘れがちだが、サラリーマンならではの特権がある。
思わず愚痴を言ったり、仕事が面白くないとか辞めたいと思った時、サラリーマンの特権について考えて見ると「やっぱり辞められないな」と考え直すことができる。

サラリーマンの特権

1. 責任が軽い
サラリーマンの特権の中で一番ありがたいのが責任が軽いことだ。
例え勤めている会社が倒産しようと責任を取らされて破産するようなことは絶対にない。
業績が悪ければ神妙な面持ちで会議に出席し、その時間を耐え忍べばいいだけのことだろうし、経営陣と顔を合わせばお世辞の一つ二つを言っておけばよいことだ。
出世しようと思わなければ気分も楽に過ごせてそれなりに給料を頂くことができ、休日は旅行に出かけたり趣味を楽しむことも差し支えない。
給料は責任料だと考えれば、自分より多く給料を貰っている上司は全て自分より責任は重いのだから経営不振の時には自分より先に責任を取って当たり前だ。
時に経営不振の責任を上司に変わり部下が取らされるといった矛盾があるのもサラリーマンではあるが、金銭で責任を取らされることもなく、悪くても左遷か最悪リストラくらいだ。

2. 安定した収入
なんと言ってもサラリーマンがいいのは安定した収入を得られることだが、考えてみたら入社した次の月から、まだ何の価値ある仕事もしていないのに給料を頂いている。
しかも今年(2019年)の5月などは一ヶ月31日の内19日仕事をするだけで、他の月と同じだけ給料が頂けるのだから辞められない。
更には働き方改革で残業は無くなり、有給も進んで消化しなければならなくなり、年間有給休暇消化日数が5日未満の従業員は会社が有給休暇取得日を指定することが義務化されたほどだ。
こうなれば以前のように進んで仕事をし、遅く帰ることが美徳といった風潮はなくなり、早く帰っても何の後ろめたさもなく当たり前になってきたから何かと好都合だ。
おそらく十数年前と比べれば、サービス残業やサービス出勤もなくなり、仕事は半分になって給料は同じだけ頂けると考えても大袈裟ではないだろう。
要はダラダラと会社に居座るのではなく、サッと価値を生み出す仕事をしてサッと帰ろうということだろうが、難しく考えなくても一定の給料は頂けるのが何よりだ。

3. 世間的信用を得られる
サラリーマンは会社の看板をチラつかせ、世間的信用を得ることができる。
決して会社の看板を背負っていると言った重いイメージではなく、逆に会社の看板をうまく盾に使うこともできるのだ。
安定した収入が約束されているので金融機関からもそれに見合った融資を受けることが可能になる。
さほど価値ある仕事はしていないとしても、出勤しているだけで世間はその会社の仕事をこなしている人として見てくれる。
もし会社を辞めてしまったら唯の人になってその信用も失うことになるのだから、この会社に付属した信用特権はバカにならない。
何があっても会社にしがみついていたい人の思いの中には、この信用特権を失いたくないと考えている人も多く、出世などせずとも会社に籍があるだけでいいはずだ。

4. 居場所が与えられる
当たり前だと叱られそうだが、サラリーマンには部署があり机も用意されて同僚や部下、上司など仲間も与えられる。
与えられると表現するのはおかしいかも知れないが、退職して気付くことに居場所があることや仲間など人と関われることが、生きる上でどんなにありがたいことか思い知る。
毎日家から出て行く場所があるだけでもありがたいと思わなければ罰が当たるように感じるほどだ。
しかも週に5日行って飽きたころに2日も行かなくていい日があるのだから、こんな贅沢は家で飲食業など自営している人からしてみると羨ましい限りだろう。
そしてその居場所に行く手段に交通費まで支給して頂けるのだからこれほどありがたいことはないと思えばいい。
サラリーマンの居場所にはたまに顔を合わせたくない人がいたり嫌な出来事も起こるが、それらを忘れさせてくれるように転勤という新しい居場所を作って頂けることもある。

5. 定年退職は最後の特権
サラリーマンには定年退職という特権があるから辛抱して働けると言っても言い過ぎにはならないだろう。
最近では定年延長や雇用延長といった名目でこの特権も失われかけてはいるが、借金があるから辞めたくても辞めることができない自営業の人も多い中で、退職金と称したお金まで頂いて辞めることができるのはサラリーマンの最高の特権に間違いない。
仕事がおもしろくないとか辞めたいと常々思い悩みながらも辞めることに罪悪感を感じるので辛抱してい働いているが、結局最後には正々堂々と辞めることができるのがサラリーマンなのだ。
定年退職の後は第二の人生を夢見ることができるので、希望に満ち溢れた人生にすることができる。
この定年退職の時が来れば何も迷うことなく辞めて、新しい次の人生を生きればいい。
ダラダラと仕事を続けても、おそらく何の価値ある物も生み出せないのは自分が一番分かっているはずなのだ。

サラリーマン人生には自分の夢を犠牲にしてでも家族を守るという、最も大きな責任と目的を果たさなければならない任務がある。
そのためにサラリーマンに与えられた特権をしみじみと感じ、定年退職という最後の特権までまっとうすることは、価値のある時間を過ごした人生に他ならない。